2017 Fiscal Year Annual Research Report
Asymmetric Synthesis of Supramolecules by Organocatalysis
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17F17416
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 猛夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (50214680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANDA TANMOY 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | 超分子 / トポロジカルキラリティー / 不斉アシル化 / 遠隔位不斉誘導 / 動的認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
非対称な軸成分や輪成分から成るカテナンやロタキサンなどの超分子は、超分子特有の不斉構造(topological chirality)を持つ。これらの超分子では輪成分の回転や軸成分の移動により、不斉構造が逐次変化し、超分子キラリティー自体が可動性を持つため、キラル超分子の不斉構築や不斉識別は極めて困難で、有効な不斉合成法は未だ皆無に近い。例えば、高田らによってロタキサン不斉合成の先駆的な試みが報告されているが、最大で4%eeに留まっている(Chem. Lett. 2007, 36, 162)。このようような状況下、受入研究者は分子認識型不斉アシル化触媒を用いるラセミ体ロタキサンの速度論的分割を行い、topological chiralityを持つロタキサンを99% ee、29%収率で得ることに成功した(選択性 s値=16)。本年度は、この成果に基づき超分子のこの不斉合成法をカテナンに展開すべく、カテナンの構造設計と基質合成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の鍵を握るのは、カテナンの非対称性構造の設計と、その不斉化を行う不斉アシル化触媒の設計、合成である。本年度は、高度な非対称性を持つラセミ体カテナンの合成に成功した。また、その不斉化を行うための種々の不斉アシル化触媒を大量合成した。
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Strategy for Future Research Activity |
Topological chiralityを持つカテナンの合成を行う。予備実験として、軸成分に水酸基、輪成分にNHNs 基(Ns= SO2-2-NO2-C6H4)を持つラセミ体ロタキサンの不斉アシル化による速度論的分割を行い、優れた成果を得ている。この成功は分子認識型不斉触媒がNHNs 基からある一定の距離にある水酸基の不斉環境を高度に識別できることに基づいている。そこで、片方の輪成分に水酸基、もう片方の輪成分にNHNs 基をもつラセミ体カテナンの合成し、片方の輪成分上にある水酸基の不斉アシルによる速度論的分割を検討する。 さらに、Topological chiralityを持つロタキサンの不斉非対称化による不斉合成を行う。これまでに軸成分に水酸基、輪成分にNHNs 基を持つラセミ体ロタキサンの不斉アシル化による速度論的分割で好結果を得ている。この成功例を、不斉非対称化によるロタキサンの不斉合成へと展開する。両側に2つの水酸基を持つ対称な軸成分と、NHNs 基をもつ非対称な輪成分から成るプロキラルなロタキサンの水酸基の不斉アシル化による不斉非対称化を行う。前述した速度論的分割では収率が最大50%であるが、本法では理論的には収率100%、不斉収率100%が可能となる。なお、プロキラルロタキサンの合成は、アンモニウム塩とクラウンエーテルの錯形成を利用したプレロタキサンを経由して行う。
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