2019 Fiscal Year Annual Research Report
心血管系におけるペプチド分解酵素DPPIIIの生理学的・病理学的役割と分子機構
Project/Area Number |
17F17418
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
扇田 久和 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50379236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PANG XIAOLING 滋賀医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病 / ペプチダーゼ / 心臓 / 腎臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
ペプチド分解酵素の一つであるジペプチジルペプチダーゼIII(DPPIII)は、基質であるペプチド(およそ3~10残基の短いペプチド)をN末端から2残基ずつ分解するエキソペプチダーゼである。これまでの研究により、DPPIIIはアミノ酸8残基からなる昇圧ホルモンのアンジオテンシンIIを分解し、高血圧マウスにおいて降圧作用を有することを明らかにした。この研究成果を踏まえ、本研究では高血圧とは別に、心血管系に大きなダメージをもたらす生活習慣病の糖尿病、特に、糖尿病合併症の糖尿病腎症および糖尿病心筋症に着目して、これらの病態に対するDPPIIIの有効性とその機序について検討した。 糖尿病モデルdb/dbマウスにDPPIIIを週3回8週間連続して投与すると、腎障害の指標である尿中アルブミン排泄が有意に抑制された。免疫組織学的および電子顕微鏡による腎臓の解析では、糖尿病による腎糸球体の異常がDPPIII投与により著明に改善していた。一方、心筋を解析した結果では、心筋の線維化がDPPIII投与で減少していた。 DPPIIIによるこれらの臓器保護作用を検討するため、生食を投与したdb/dbマウス(コントロール)、DPPIIIを投与したdb/dbマウスそれぞれから血液を採取し、コントロールマウスで増加しているが、DPPIII投与マウスで減少しているペプチドをペプチドーム解析で網羅的に探索した。その結果、9アミノ酸からなるペプチド(ペプチドX)を見出した。実際に、ペプチドXはDPPIIIで速やかに切断され、また、ペプチドXをdb/dbマウスに投与すると腎臓、心臓の機能障害がさらに促進された。このことから、DPPIIIによる糖尿病合併症に対する抑制機序の一つとして、糖尿病で増加するペプチドXを分解していることが分かった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Identification of transmembrane protein 168 mutation in familial Brugada syndrome2020
Author(s)
Shimizu A, Zankov DP, Sato A, Komeno M, Toyoda F, Yamazaki S, Makita T, Noda T, Ikawa M, Asano Y, Miyashita Y, Takashima S, Morita H, Ishikawa T, Makita N, Hitosugi M, Matsuura H, Ohno S, Horie M, Ogita H.
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Journal Title
FASEB J
Volume: -
Pages: In press
DOI
Peer Reviewed
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