2017 Fiscal Year Annual Research Report
The role of cardiac stem cell-derived exosomes in radiation-induced cardiovascular diseases
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17F17425
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
李 桃生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LUO LAN 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | エクソソーム / 放射線誘発心血管疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、放射線照射による心筋幹細胞由来エクソソームの分泌変化および線量依存性を調べ、それらの心臓組織細胞への放射線障害における役割を解明し、放射線誘発心血管疾患を的確に評価できる新たなバイオマーカ・治療法の開発を目指す。 今年度は、心筋幹細胞は間葉系幹細胞の特性を示したため、放射線被ばくによる間葉系幹細胞由来エクソソームの分泌変化および心筋細胞と内皮細胞に与える影響について評価した。約80% confluent 状態のヒト胎盤組織由来間葉系幹細胞に5Gyのγ線照射を行い、48時間後に細胞培養上清を回収し、エクソソームを分離した。回収したエクソソームはWestern blot 法 (エクソソーム表面マーカーのCD63の発現)および電子顕微鏡で確認した。zeta-sizeおよびmicro BCA protein assayにて、非照射と照射した間葉系幹細胞由来エクソソームのサイズと蛋白質量は変化がなかったことが認められた。また、非照射と照射した間葉系幹細胞由来エクソソームを心筋細胞と内皮細胞に添加培養し、24時間後に、それぞれへの影響を評価した。KI67と53BP1/γ-H2AX免疫染色において、非照射群と比べ、照射した間葉系幹細胞由来エクソソームにおける心筋細胞と内皮細胞の増殖は有意な減少やDNA障害は有意な増加が認められた。 上記の結果から、照射した間葉系幹細胞由来エクソソームが心筋細胞と内皮細胞に損傷を引き起こすことを示唆した。今後は、ヒト心筋幹細胞のエクソソームの分泌変化及び心筋細胞と内皮細胞に与える影響と機序を同定し、心筋幹細胞由来エクソソームの投与による放射線誘発心血管疾患の改善効果を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
照射した間葉系幹細胞由来エクソソームが心筋細胞と内皮細胞に損傷を引き起こすことを見出した。心筋幹細胞は間葉系幹細胞の特性を示したため、放射線被ばくによる心筋幹細胞由来エクソソームが組織細胞に傷害を引き起こすことになり得た。
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Strategy for Future Research Activity |
当初申請した通りに研究を推進していく予定である。具体的には、放射線被ばくによるヒト心筋幹細胞のエクソソームの分泌変化及び心筋細胞と内皮細胞に与える影響と機序を同定し、心筋幹細胞由来エクソソームの投与による放射線誘発心血管疾患の改善効果を明らかにしていきたい。
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