2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of mechanical property and self-repair mechanism of microtubule with high-speed AFM
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17F17701
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内橋 貴之 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30326300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GANSER CHRISTIAN 名古屋大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 微小管 / 高速原子間力顕微鏡 / 一分子計測 / 一分子操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、高速原子間力顕微鏡により微小管を高解像イメージングすると同時に任意の局所位置で微小管にAFM探針から印加すると同時に、力-距離曲線(フォースカーブ)を計測するシステムを構築した。これにより、微小管への高精度な局所的構造欠陥の形成と、その際の印加力と散逸エネルギーを定量化することが可能になった。このシステムを用いて、微小管に生成した欠陥のサイズ、すなわち微小管から脱離したチューブリンの個数に依存したフォースカーブの変化が得られ、そこからチューブリン脱離時の散逸エネルギーを定量化することができた。また、微小管に生成した局所構造欠陥の自己修復過程(Tublin-Free-Self-Repair: TFSR)の観察に成功し、TFSRは、欠陥生成時に脱離したチューブリンが微小管内部に潜り込み、そのチューブリンが欠陥位置に再結合する過程であることがわかった。さらに、生成した欠陥周囲でのキネシンの振る舞いを観察することもでき、欠陥周囲ではキネシンがプロとフィラメント間を渡り歩き、欠陥を回り込んで運動する様子が観察できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微小管を構成するチューブリンをAFM探針で高精度で抜き取り、微小管の急奥書欠陥制御が可能になった。さらに、その際の外部力や散逸エネルギーを定量化できるシステムを構築できた。また、微小管の局所欠陥周囲でのキネシンの運動を観察することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度構築したシステムを用いて、微小管の局所欠陥周囲のキネシンの運動をさらに詳細に観察する。これにより、局所欠陥がキネシンの運動を変調する欠範囲を明らかにするとともに、どのようにしてキネシンが欠陥を回避して運動するかについて分子機構を明らかにする。また、局所欠陥にヌクレオチド状態の異なる(GTP型あるいはGDP型)チューブリンを埋め込み、チューブリンのヌクレオチド状態に依存したキネシンの運動変調を調べる。さらに、微小管をシリコンシートに吸着させ、シリコンシートの伸張により微小管全体に機械的負荷を印加した状態でキネシンの運動を観察し、屈曲や伸張による微小管の局所構造変化とそれがモータータンパク質の運動に与える影響を一分子レベルで明らかにする。
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