2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of environmental pollution and stress on gene expression profiles in Baltic salmons
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17F17731
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岩田 久人 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (10271652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KANERVA MIRELLA 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-07-26 – 2019-03-31
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Keywords | タイセイヨウサケ / 難分解性有機汚染物質 / トランスクリプトーム / プロテオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、バルト海の3海域で採取したタイセイヨウサケ個体群を対象に、環境汚染物質蓄積濃度やその他環境因子(水温・溶存酸素濃度・採取年)・生物学的因子(年齢・体重・系群・栄養段階・餌生物種)がサケのトランスクリプトーム・プロテオームに与える影響を評価することである。具体的には、以下の4点に焦点を絞って解析することを計画した。1)サケ肝臓に蓄積するPCBを含む難分解性有機汚染物質を質量分析計で定性・定量する。2)次世代シーケンサーを使用して、サケ肝臓における各遺伝子のmRNA発現量を網羅的に測定する。3)飛行時間型タンデム質量分析計を用いて、サケ肝臓におけるタンパク質発現量を網羅的に測定する。4)上記1)-3)のデータに加え、研究分担者がこれまで測定してきた環境因子や生物学的因子を併せて主成分分析をおこない、交絡因子の影響を最小限にして各因子の影響を評価する。 今年度は、タイセイヨウサケの肝臓に蓄積する難分解性有機汚染物質を高分解能ガスクロマトグラフー質量分析計で測定し、バルト海の3海域における汚染の特徴(濃度・組成)を明らかにした。その結果、バルト海はPCBsやDDTsによって高濃度に汚染されていることがわかった。また、3海域間で汚染物質濃度に違いが認められた。さらに、次世代シーケンサーHiSeq を用いて、サケ肝臓のトランスクリプトームを解析した。環境汚染物質濃度・トランスクリプトーム発現量のほか、すでに測定済みであった環境因子や生物学的因子を併せて主成分分析をおこなった結果、サケ肝臓のスクリプトーム発現量は主として環境汚染物質濃度に影響されていることが明らかとなった。対照的に、サケの系群間でトランスクリプトームに大きな差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、以下の4点に焦点を絞って解析することを計画した。1)サケ肝臓に蓄積するPCBを含む難分解性有機汚染物質を質量分析計で定性・定量する。2)次世代シーケンサーを使用して、サケ肝臓における各遺伝子のmRNA発現量を網羅的に測定する。3)飛行時間型タンデム質量分析計を用いて、サケ肝臓におけるタンパク質発現量を網羅的に測定する。4)上記1)-3)のデータに加え、研究分担者がこれまで測定してきた環境因子や生物学的因子を併せて主成分分析をおこない、交絡因子の影響を最小限にして各因子の影響を評価する。 今年度はすでに1)・2)・4)の大半を終了することができた。次年度は3)を終了さえすれば、当初の目標は達成できる見込みであるため、今年度の進捗状況は、「当初の計画以上に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度と同様、タイセイヨウサケの肝臓を対象に、トランスクリプトームおよびプロテオームの解析を継続する。環境汚染物質蓄積濃度やその他環境因子(水温・溶存酸素濃度・採取年)・生物学的因子(年齢・体重・系群・栄養段階・餌生物種)によってmRNA・タンパク質の発現量の変動が認められた遺伝子に関しては、GeneOntology を用いて機能情報を収集・分類する。これら同定された発現変動遺伝子については、Database for Annotation, Visualization and Integrated Discovery(DAVID)を用いたパスウェイ解析をおこない、各因子の変動によって受ける影響およびその作用機序を予測する。
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Research Products
(1 results)