2018 Fiscal Year Annual Research Report
江戸近代における朱子学の教育的受容-書院文化の新しい解釈を踏まえて
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17F17736
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
周 飛帆 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (80270867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SU YING 千葉大学, 国際関係学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | 白鹿洞書院掲示 / 江戸時代 / 藩校 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は「白鹿洞書院掲示」が藩校における利用を中心に研究を進めた。「白鹿洞書院掲示」(以下「掲示」とする)は中国歴代の書院規則となったもので、江戸時代の日本において様々な場面において使われていた。これまでの研究では「掲示」を使用した藩校は34校とされていたが(関山邦宏1977『「白鹿洞書院掲示」諸藩校への定着とその実態』,『教育研究』青山学院大学教育学会紀要)。今回は『日本教育史資料』(1890)をもとに調べた結果、44校の藩校に「掲示」が使われていたことが新たに分かった。また複数の場面において使われていたこともあり、結果として、学規が26校、開講式では20校で、教科書として12校で、出版物が9校において使用されたことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『日本教育史資料』(1890)によると、江戸時代には藩校が295校、郷校が568校、私塾1090箇所で、寺子屋が11754箇所に上っている。295校の藩校を中心に資料を検討した結果、44校が「掲示」を使用されていたことが分かった。現在は44の藩校を中心に資料分析、整理をし、今後成果をまとめていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.藩校295校の内、書院と名付けしたのは佐倉藩の成徳書院しかなかったことで、佐倉藩の成徳書院を中心に研究を進める。 2.幕府領内の学校として、甲府徴典館、八代郡由学館、八代郡日新館、都留郡興譲館、巨摩郡西野郷学校、北巨摩郡郷学校があげられるが、巨摩郡西野郷学校と北巨摩郡郷学校以外の郷学ではすべて「掲示」を使用していることが明らかになっている。その詳細について今後研究を進める。
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