2017 Fiscal Year Annual Research Report
Japanese-Spanish Relations in the Early Seventeenth Century
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17F17740
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松方 冬子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80251479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BATTS JOSHUA 東京大学, 史料編纂所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | 慶長遣欧使節 / スペイン / メキシコ / フィリピン / 伊達政宗 / 幕藩関係 / 徳川家康 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、いわゆる慶長遣欧使節について、スペイン・ハプスブルク帝国と徳川政権とをつないで日本の対スペイン貿易を実現しようとした宣教師ソテロとその周辺の人々の動きを、スペイン・日本双方の重層的な政治構造(スペインの勢力下にあったフィリピン、メキシコ、仙台藩)を視野に入れつつ、考察しようとするものである。最終的には、英文単著の出版を企図している。また、次のプロジェクトである日本銀の国内外の流通についての研究への橋渡し的な作業も行う。 今年度は、出版のために必要な日本語2次文献の蒐集を行なうとともに、石巻の慶長遣欧使節関連施設宮城県遣欧使節船ミュージアム「サンフアン館」の見学・仙台市博物館での仙台藩文書の調査準備、現地の日本人研究者との意見交換を行った。石見銀山の調査を行ない、現地で行われた研究会にも参加した。 また、研究代表者の紹介で東京大学国際総合日本学ネットワークセミナーで「1600~1625年における日本の太平洋進出――江戸初期の日西外交関係を再検討する―」と題する研究報告を行った。 史料編纂所ですでに収集した関連史料については、大学院生のチューターとともに読解を進めて、慶長遣欧使節船が新しい貿易ルート開拓のために運んだ積荷などについての新しい知見を得た。 慶長遣欧使節は、従来、キリスト教との関係で論ずる研究が多かったが、本研究は、太平洋航路や貿易など、幅広い観点からグローバルに捉え返そうとするものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
仙台市博物館は休館中であったが、学芸員に対応してもらえることができ、来年度調査のために必要な情報を収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
仙台市博物館で史料調査を行なうとともに、研究代表者が主催するタイ・バンコクでの外交史に関するワークショップに参加する。 研究成果は、単著として上梓する予定である。
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