2017 Fiscal Year Annual Research Report
Functional genomics for the biosynthesis of highly-oxygenated steroidal compounds in plants
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17F17749
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
齊藤 和季 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 副センター長 (00146705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KNOCH EVA 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-07-26 – 2019-03-31
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Keywords | 生合成 / 植物二次代謝産物 / 薬用植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物等から得られる天然有機化合物には医薬品などに利用可能な新規生物活性物質の可能性が多く秘められている。しかし、膨大な植物種に含まれる多様な化学成分が、どのように植物内で生産されているかについての根源的なゲノムレベルでの研究は全く不十分である。そこで本研究は、生薬の「酸漿根(さんしょうこん)」としても使われているナス科ホオヅキPhysalis alkekengiに含まれる高度に酸化されたステロイドであり、抗感染症、抗がん、抗アレルギー作用を有するフィザリン類と、その生合成前駆体とも考えられるインドの伝統薬用植物アシュワガンダWithania somniferaに含まれるウィザノリド類の生合成遺伝子と生合成経路を、ゲノム機能科学的手法により一挙に同定しようとするものである。 当研究室ではフィザリン類を豊富に含むPhysalis alkekengiと、フィザリン類は含まずその生合成前駆体しか含まないP. pervianaのトランスクリプトーム解析を終了した。そこで、このトランスクリプトームデータを詳細に解析したところ、ブラシノライド生合成に関与するステロイド側鎖還元酵素1(SSR1)およびそのホモローグでありステロイドアルカロイド生合成に関与するSSR2遺伝子の他に3つ目のホモローグ(24ISOと命名)が存在することがわかった。分子系統解析からこの24ISO遺伝子の存在と発現はナス科植物においてウィザノリド類の蓄積とよく一致していた。そこで24ISO遺伝子がウィザノリド類生合成に関与するという仮説を設定し、この24ISO遺伝子をベンサミアナタバコと酵母を宿主として異種発現し、その代謝産物を解析することにより遺伝子機能の同定を進めた。その結果、24ISO遺伝子産物の機能について重要な知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウィザノリド類およびフィザリン類生合成の鍵となる重要遺伝子の候補を絞り込むことができた。そのうち24ISOと名付けた一つの遺伝子の機能について、ベンサミアナタバコと酵母を宿主として異種発現し、その代謝産物を解析することにより重要な知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
24ISO遺伝子産物機能の詳細な解明をベンサミアナタバコと酵母での異種発現によって進めるとともに、アシュワガンダ等を用いた植物体での遺伝子サイレンシングにより機能を確定する。また、P450など他の生合成関連遺伝子についても絞り込みと機能解析を進める。
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Research Products
(2 results)