2018 Fiscal Year Annual Research Report
A novel way to link terrestrial and aquatic ecosystems: a bio-geo multi-isotope approach
Project/Area Number |
17F17755
|
Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
陀安 一郎 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 教授 (80353449)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NITZSCHE KAI 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2017-10-13 – 2020-03-31
|
Keywords | 河川生態学 / 水生昆虫 / 母岩 / 水域-陸域連関 / 非伝統的同位体 / マグネシウム / カルシウム / ストロンチウム |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 2018年5月上旬に滋賀県において、2017年11月と同じ3つの石灰岩河川(最大38%の石灰岩)と3つの非石灰岩河川(集水域に石灰岩がない)から河川水と水生動物を集め、 マグネシウム安定同位体比(δ26Mg)の季節変動の有無を調査するためにδ26Mgを分析した。 その結果、δ26Mgに季節的な変動がないことが明らかになり、水生動物の岩石学的制御に関する我々の以前の知見を確認した。 河川水が濾過食者のトビケラと小型ハゼ科の主なMg源であったが、他の食性の種に関しては26Mgが濃縮した餌を利用したか、Mgの同位体分別により、河川水に比べδ26Mgが変化していることがわかった。 これらの結果を元に「Magnesium isotopes reveal bedrock impacts on stream animals」と題した原稿を作成し、査読付き国際雑誌に投稿済みである。 (2) 2018年5月と11月には、滋賀県の安曇川と野洲川の上流および下流においても調査した。 本研究では、異なる種および異なる摂食機能群の水生動物間でのMg、Ca、ZnおよびSr安定同位体比の変動を調べるために、水生動物の体の中の金属の供給源となる可能性のあるもの(水、植物のリター、レキ面付着物)をサンプリングした。 その結果、MgとZnの供給源は摂食機能群によって大きく異なることがわかった。 金属摂取における同位体分別は、トビケラ幼虫および小型ハゼを除く大部分の種にとって重要な過程であった。 MgとZnの安定同位体比は、軽元素(C、N)のそれらとわずかに関連しているにすぎず、同位体分別の程度が異なることを示している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野外調査はすべて終了し、分析に関しても大半は終了している。残りの期間で、一部の残っている分析を終了したのち、すべての結果に関する論文を執筆予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」の項目(2)のデータ解析と原稿作成を現在行っており、査読付き国際雑誌への投稿を行う予定である。 さらに、(2)と同じ試料からCa安定同位体比(δ44 Ca)および、Sr安定同位体比(δ88 Sr)を分析予定であり、(2)と同様に異なる種および摂食機能群間での変動を調べる予定である。 (2)の結果はJpGU 2019で発表する予定である。
|