2017 Fiscal Year Annual Research Report
アズピレンを用いたナノグラフェンおよび類縁体の合成と応用
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17F17782
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 栄一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任教授 (00134809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAVAT PRINCEKUMAR 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | 二次元薄膜 / 自己集合 / ドーピング |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンの部分構造を切り出したナノグラフェン類は,新しい機能性材料として近年特段の興味を集めているが,そのほとんどがグラフェンの規則構造である六員環を骨格とした設計である.本研究では,グラフェンの欠陥として存在することが知られる五員環や七員環を含む新規ナノグラフェンとして,アズレンを縮環したアズピレンを基本骨格とするナノグラフェンの合成と,その機能開拓に取り組む.共通中間体を経る効率的合成法と,高分解能電子顕微鏡による構造解析を駆使し,様々なアズピレン誘導体を合成し,その物性を探索する.全く新しい構造をもったこれら化合物は従来のナノグラフェン類にない光学特性,および電子特性を示すことが予想されており,有機薄膜太陽電池や発光デバイス,トランジスタなどの有機デバイスへの応用が期待される. 本研究では当初,新規ナノグラフェンとして,アズレンを縮環したアズピレンを基本骨格とするナノグラフェンの合成に取り組んだが,目的の化合物を得ることができなかった.そこで,アプローチを変えて,適切に官能基化したフラーレンの自己集合によって二分子膜を作製し,これを後に有機小分子によってドーピングして積層グラフェン様の薄膜を形成させる方針に変更して研究を進めた.その結果,両親媒性フラーレンを水面上に注意深く配列させることで厚さ3nmの膜を生成させることに成功し,電子顕微鏡観察および電子線回折によって,これがアモルファスの膜であることを確認した.また様々な有機分子をドーピングしても安定に膜が形成することを見いだした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画のスコープを大きく上回ると期待される,斬新な薄膜形成法を発展した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に発見した薄膜形成法の展開を図り,当初目的に記載した従来のナノグラフェン類にはない特性を持つ薄膜を形成する.
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