2017 Fiscal Year Annual Research Report
Design of advanced control for underactuated mechanical systems
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17F17791
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
しゃ 錦華 東京工科大学, 工学部, 教授 (10257264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG ANCAI 東京工科大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2019-03-31
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Keywords | 劣駆動システム / 3リンク鉄棒ロボット / inverted trajectory / 運動軌道計画 / 軌道追従 |
Outline of Annual Research Achievements |
劣駆動機械システムは,運動自由度より少ないアクチュエータしか持たないシステムである。この種のシステムはフル駆動システムに比べ,システムの軽量化と省エネが図れるため,航空宇宙,運送,製造,医療保健などの分野で広く使用されている。一方,劣駆動機械システムは非線形が強く,ホロノミックまたは非ホロノミックの制約を受けるので,従来のシステムの制御手法を用いて制御系を設計するのは困難である。そのため,この種のシステムに対して簡単な制御系設計法を開発することが急務である。本研究では,アドバンスト制御系設計の新しい方策を考案し,医療およびリハビリ分野への応用を検討する。 平成29年度においては,鉄棒ロボットの運動軌道制御問題を検討した。従来の制御問題を,最適軌道設計と追従という二つの問題に分けて制御系設計を考えた。まず,3リンク劣駆動鉄棒ロボットに対して,その動特性を分析し,出発点から最終目標位置までの最適軌道を設計するために,時間軸を反転してinverted trajectoryというアイデアで最適軌道を簡単に構築した。次に,最適軌道上に安定化させるように制御則を設計した。本手法は,従来の手法に比べ,設計が簡単であり,ロバスト性も非常に強いという特徴を持っている。従来の制御系設計法には主に二つの問題点がある。一つは,制御対象が線形性の強いもののため,制御系設計は主に安定性だけに注目して行った。もう一つは,最適軌道の設計は,非常に複雑である。この手法を用いることにより,このような問題点が簡単に解決でき,劣駆動システムの制御に新しい設計手段を提供している。得られた成果をThe 11th Asian Control Conferenceで発表し,活発なディスカッションを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り,まず,研究の準備を行い,研究環境の整備は思う以上に早くでき,早速研究に専念できた。予定していた3リンク劣駆動鉄棒ロボットの運動制御も完成し,その結果を論文にまとめ,学会で無事に発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方針として,まず,2自由度劣駆動システムの代表例として,フライホイール型倒立振子の運動軌跡追従制御に関してinverse motion手法という制御則を導出し,その有効性を検証する。また,従来の手法に比べ,本手法の優位性を示す。それから,得られた結果をさらに車輪型倒立振子などの2自由度劣駆動システム制御に拡張し,特に計測ノイズがある場合,制御系の制御性能を検証する。 特有構造を持つ劣駆動システムとして,TORAシステムが宇宙空間で広く用いられる。この種のシステムの安定化問題は非常に難しく,従来から機械制御分野の難問としてクローズアップされてきている。本研究では,座標変換手法を導入し,新しい安定化制御則を打ち出す予定である。 いままでの研究を見直したところ,劣駆動システムの有限時間安定化の可能性を発見した。これにより劣駆動システムの動特性を大幅に向上させる可能性があるので,これからは有限時間安定化のシステム構成を検討し,制御則の導出を試みる。
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