2018 Fiscal Year Annual Research Report
The way to success in the elite artistic gymnastics: comparative study between Japan and Slovenia
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17F17795
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
畑 孝幸 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (00156332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZURC JOCA 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | 女子体操 / 早期トレーニング / エリートスポーツ / 国際比較研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツにおける競技力の向上には、トップレベルの競技者が育成される道筋の入り口において、優れた素質を持つ子どもを発掘し、幼少期から系統的に能力を開発するという方法がとられる。こうした方法は競技力の向上を目指す多くのスポーツで取り入れられているが、特に体操では、多くの女子選手が幼少期からの早期トレーニングを経験している。なかには、幼少期からの早期トレーニングが子どもの心身の発育発達に悪影響を及ぼし、子どもたちの人権を侵害する事例もみられる。その一方で、幼少期からスポーツ競技者として自らのライフスタイルを確立し、競技者として成功する者もいる。本研究では、ともに優れた体操選手を輩出した日本とスロベニアにおいて、女子体操選手や指導者への調査やインタビュー、その結果の統計的分析と哲学的考察を通して、競技スポーツでの早期トレーニングの環境を文化の違いによる相違も含めて明らかする。 平成30年7月には、本研究の概要を日本体育学会体育哲学専門領域夏期合宿研究会(於箱根)で発表した。8月には女子体操選手がエリートとして成功するための倫理学の役割について、第24回世界哲学会議(於北京)で発表した。9月には国際スポーツ哲学会第46回大会(於オスロ)で、若年体操選手の倫理的問題について、スロベニアと日本の比較研究を、これまでの知見を基にした発表を行った。また、スロベニアにおいて指導者を訪問しインタビューを行い、データを収集した。平成31年1月には、日本のコーチ2名にインタビューを行い、今後の研究に関する専門的知識の提供を受けた。3月末には国際会議(於ザグレブ)で成果発表を行い、スロベニアでデータ収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
日本で行ったインタビューの件数が少ないこと、当初計画していた日本人女子体操選手に対する質問紙調査が実施できていないことから、次年度に残された課題が少なからずある。また、スロベニアで行った女子体操選手への質問紙調査の分析結果もまとまっておらず、統計的分析による比較をするには至っていない。 予定になかった9月と3月の国際会議とそれに引き続くスロベニアでの調査のため当初計画していた国内での調査がはかどらず、研究が予定通り進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究推進のペースを上げる必要がある。 日本におけるインタビューの件数を増やし、アンケート調査を行う必要がある。その分析結果と、既に収集したデータの分析結果を合わせて、当初の目的である日本とスロベニアにおけるエリート女子体操選手の早期トレーニングの比較について、得られた知見を整理しながら、研究成果をまとめる。 平成30年度は、国際会議に続けて二度、研究分担者が長期にわたり日本を不在にし、自国で調査を行った。今後そういうことがないように国内での研究の遂行に専念させる。7月末の研究期間の終了に向けて、これからの状況によっては、例えば手元にあるデータの分析と考察のみで研究成果をまとめるなど、当初の研究計画の変更も考えられる。
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Research Products
(4 results)