2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on singularities generated via relativistic interaction of laser-plasma
Project/Area Number |
17F17811
|
Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
神門 正城 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 光量子科学研究部, グループリーダー(定常) (50343942)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GONZALEZ-IZQUIER BRUNO 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 光量子科学研究部, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
|
Keywords | 高強度レーザー / レーザープラズマ / コヒーレント軟X線 / 極端紫外光 / 軟X線光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主題である、高強度レーザーがプラズマ中につくる特異な電子分布からのコヒーレント極端紫外光放射光源(BISER)のサイズ計測のため、前年度までに開発したX線顕微計測器を用いて関西研にあるJ-KAREN-Pレーザーを用いて実験を行った。 実験は、レーザーエネルギー6 J, パルス幅 40 fsをヘリウムガスジェット上に集光した。BISER機構により発生する12.4 nmから20 nmの極端紫外光をMo/Si非周期多層膜球面鏡にてCe:YAGシンチレータ上に2倍の倍率で集光し、その蛍光(~527 nm)を光学顕微鏡レンズ(60倍)にて極端紫外光の像を計測することを試みたが、種々の技術的問題(カメラの電磁パルスによるトラブル、冷却不良によるカメラの故障)が生じたが、真空内CCDカメラを用いて解決したが、最終的に像のリアルタイム取得は出来なかった。バックアッププランであるLiF結晶によるX線拡大像の計測に切り替え、複雑な構造を持った像(サイズ横方向数ミクロン、縦方向60ミクロン程度)を取得することができた。 現在、この像のパターンを光学シミュレーションコードを用いて解析し、強度変調は用いたフィルターのメッシュ構造に起因すること(つまりレーザープラズマ相互作用による結果ではない)ことを確かめた。また、シングルショットで計測した像には2つの像が取れており、その大きさは異なっていた。この原因は実際に2つのサイズが異なるのか、球面鏡にて受けきれていないせいかの2つの原因まで突き詰めている段階である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画である極端紫外光のサイズ計測をシンチレータを用いてリアルタイムに計測する方式に挑戦し、カメラが真空内で動作しない問題などの技術的困難を解決し、動作確認はできたが、極端紫外光の計測までには至らなかった。バックアッププランであるLiF結晶で計測する手法には成功し、サイズを計測することができているため、光量が少ないこと、光学倍率が高過ぎてカメラに受け入れられていない可能性がある。今後、低倍率の光学顕微鏡レンズを用いることで視野の拡大と光量の増大を行い、まずはリアルタイムで計測することを優先とする。 昨年度問題であった迷光によるフィルター損傷の問題は交換型フィルターホイールを製作し、動作することを確認し克服できた(これは当初予想していなかったことであった)。真空内でカメラが動作しない問題については、レーザープラズマから発生する電磁パルス(EMP)による誤作動が問題であることが分かったため、電磁シールドを施し、ノイズに強いカメラを選定し動作することを確認した。また真空内での冷却がうまく行えず熱暴走する問題に対しては水冷式カメラを導入した対策を行った。このように当初予期していなかった種々の問題を着実に解決し、当初の目標であるリアルタイム極端紫外光像に近づいて行っているため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
EMPパルスによる市販 CMOSカメラの誤作動については、カメラを真空中に置くのではなく、金属製ベローズを介してチェンバー内に大気領域を用いて冷却を容易にし、かつFaraday cageのように電磁シールドを行う改造法を考案した。試験はこれからであるが、これにより、市販CMOSカメラ(センサーピクセルが微細)の利用が可能になると考えている。 極端紫外光がシンチレータと光学系で観測できない問題に関しては光学倍率をまずは下げて信号を探すことを計画している。 新たに分かった、大型の薄膜フィルターを機械的に強度を上げて保持するメッシュ構造が極端紫外光の像に悪影響を与えている点については(これはコヒーレント光源であることを示唆する結果でもある)、メッシュ構造のない、パリレンで強度を高めたフィルターを導入することで周期的なメッシュ構造が作る回折像の低減を図る。 また、バックアッププランで計測した極端紫外光の像はまだ収差が残った分布をしている。この点はリアルタイムで像を計測できるようになれば光学系の調整が実験中にできるようになり解決できるかもしれないが、本質的に光学系の制約である可能性もある。この場合は、当初可能性を考えていた、より収差のない、大口径のシュバルツシルト顕微鏡を検討する必要があるかもしれない。この光学系は高価であるため、光学シミュレーションによる現在の方式との比較を行っていく。
|
-
-
-
[Presentation] BISER x ray source structures in ultraintense laser plasma interactions2018
Author(s)
B. Gonzalez-Izquierdo, T. A. Pikuz, A. Sagisaka, Z. E. Davidson, K. Ogura, A. Bierwage, K. Huang, T. Zh. Esirkepov, J. K. Koga, A. Ya. Lopatin, Y. Fukuda, M. Ishino, E. N. Ragozin, S. A. Pikuz, N. I. Chkhalo, N. N. Salashchenko, D. Neely, P. McKenna, H. Kiriyama, M. Kando, A. S. Pirozhkov
Organizer
The 2nd QST International Symposium
Int'l Joint Research