2007 Fiscal Year Annual Research Report
大気・陸上生物・海洋圏に係る温室効果気体の全球規模循環の解明
Project/Area Number |
17GS0203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中澤 高清 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (30108451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 周司 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00183129)
菅原 敏 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (80282151)
川村 賢二 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (90431478)
遠嶋 康徳 国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 室長 (40227559)
パトラ プラビール 海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 主任研究員 (70392967)
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Keywords | 温室効果気体 / 二酸化炭素 / メタン / 一酸化二窒素 / 酸素 / 物質循環 / 同位体比 / 氷床コア |
Research Abstract |
本研究は、CO_2、CH_4、N_2Oを対象として、発生・消滅プロセスや人為・自然的要因による変動を明らかにし、人為起源温室効果気体の収支とその時間変動を理解する事を目的としている。今年度の主な研究実績の概要は以下の通りである。 1.CO_2、CH_4、N_2O濃度やそれらの同位体比、O_2濃度の広域観測を継続実施するとともに、昭和基地および太平洋航路においてO_2濃度の連続測定を新たに開始した。また、得られた濃度と同位体比のデータを選別し、べースラインデータベースを作成するとともに、それらを基にして時間空間変動を明らかにした。 2.大気球を用いて採取された大気を精密に分析する事により、従来考えられていた高度より低い成層圏においても大気成分の重力分離が起こっているという新たな事実を発見した。 3.地表に存在する種々のN_2O発生源のうち、特に人為起源に注目し、自動車、施肥された農耕土壌、家畜排泄物処理過程、下水処理過程から発生するN_2Oのアイソトポマー比の特徴を明らかにし、その変動要因について解析した。 4.大気大循環モデルを用いたCO_2、CH_4、N_2Oの濃度および同位体比の解析を実施するとともに、全球3次元大気輸送モデルを用いたCO_2の逆解法解析を行った。特に南大洋におけるCO_2吸収が最近弱まっている事や、赤道域の陸上生物圏からのCO_2放出が従来受け入れられていた量よりも少ない可能性を指摘したことは、炭素循環の理解に見直しを迫る大きな成果である。 5.ドームふじ深層氷床コアの分析を進め、CO_2、CH_4、N_2O、O_2などの大気成分の復元を57万年前まで行った。また、復元されたO_2濃度の変動が現場での夏至の日射量と極めて良い相関があることを新たに見いだし、気候変動と無関係なコアの絶対的年代決定法を確立した。
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Research Products
(62 results)