2007 Fiscal Year Annual Research Report
光合成電子伝達系のダイナミクス:未知のネットワークの解明
Project/Area Number |
17GS0316
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鹿内 利治 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (70273852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久堀 徹 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (40181094)
小林 善親 九州大学, 農学研究院, 教授 (90087594)
津山 孝人 九州大学, 農学研究院, 助教 (10380552)
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Keywords | 光合成 / 葉緑体 / 電子伝達 / サイクリック電子伝達 / NDH / レドックス制御 / チオレドキシン / 銅 |
Research Abstract |
光化学系Iサイクリック電子伝達に必須なPGR5タンパク質について生化学解析を行ない、このタンパク質がチラコイド膜ルーメン側に存在することを明らかにした。PGR5は最近同定されたPGRL1のルーメン側に結合すると考えられる。また、ショ糖密度勾配遠心で、PGR5がPSIと挙動をともにすることを明らかにした。PGR5/PGRL1はPSIとともにサイクリック電子伝達に必須な超複合体を形成することが示唆された。 PGR5の欠損が、PTOXの変異(斑入りの表現型を示す)を部分的に相補することを明らかにした。チラコイド膜分化過程におけるPGR5の発現を調べ、PSIサイクリック電子伝達が、葉緑体分化のごく初期にPTOXとともに葉緑体におけるレドックスバランス維持に機能することを明らかした。 シロイヌナズナのアンチマイシンA耐性株をクロロフィル蛍光イメージングにより多数単離した。一部の候補株で、サイクリック電子伝達がチラコイド膜レベルでアンチマイシンAに対して弱い耐性を示すことを明らかにした。 サイクリック電子伝達のもう一つの経路を触媒するNDH複合体が、PSIと超複合体を作ることを明らかにした。エチオプラストでは、NDHは単体として存在するが、光照射後48時間で、NDH/PSI超複合体の形成が確認された。 シロイヌナズナの銅イオン恒常性維持に関するマスター遺伝子を単離した。この転写因子は、銅イオンの取り込みや組織間輸送に関わる遺伝子の発現を低銅濃度下で活性化する。一方、多数の銅タンパク質遺伝子の発現をmicroRNAの発現を介して抑制する。
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Research Products
(28 results)