2006 Fiscal Year Annual Research Report
ガス分子を介した新しい生体制御機構の学際的アプローチによる解明と医学への応用
Project/Area Number |
17GS0419
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
末松 誠 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00206385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 正男 東北大学, 多元物質研究所, 教授 (70302239)
曽我 朋義 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (60338217)
平尾 敦 金沢大学, がん研究所, 教授 (90343350)
田中 廣壽 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00171794)
足立 健 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (50231931)
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Keywords | 一酸化炭素 / ガスバイオロジー / 酸素センサー / メタボローム / 生体情報工学 / 構造生物学 / グルタチオン / Hypoxia inducible factor |
Research Abstract |
平成18年度は網羅的代謝解析技術と大量データ処理に資する情報処理技術を駆使して効率的なガス分子の受容システムの探索を進めた。そのための基盤技術としてdifferential metabolomics display(DMD)を確立しCE-MSによる生体試料を用いたメタボローム解析の効率化を果たした。DM)法により以下のガス分子センシング機構の探索とメカニズム解析を推進した。まずヒト赤血球が低酸素を感知して解糖系の活性化を行う機構として、ヘモグロビンがセンサーとなり、低酸素に呼応してT-state構造が安定化し細胞膜上のBandIIIに結合することを契機として律速酵素PFK、GAPDHが活性化してglucoseの酸化が起こることを細胞代謝モデルで予測をし、CE-MSによる代謝物変動パターンが予測と一致すること、また^<13>C-glucoseを用いたpulse-chase解析によってglucoseのlactateへの酸化が1分で約2倍に活性化し、ペントース燐酸回路などへの流速が低下することが示された。また生体内の重要な酸素感受性転写調節因子であるHIF-1のconditional KO mouseを創出し、T-cellでKOした個体ではリンパ球の活性化依存性アポトーシスが抑制されることにより炎症が遷延することが明らかになった。また肝細胞特異的なKO mouseでは肝臓のmitochondrial biogenesisの増加による酸素消費の増加が証明され、現在そのメカニズムを解析中である。また上記の情報技術を用いて探索したストレス誘導性ガスであるCOの新規受容体候補分子であるcystathionine β-synthaseは生体内で実際にCOを受容し、homcysteineからcystathionineへの生合成速度を低下させ、glutathione代謝制御に関与することを明らかにした。
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Research Products
(7 results)