2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17GS0420
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 幸成 独立行政法人理化学研究所, 伊藤細胞制御化学研究室, 主任研究員 (80168385)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 義昭 東海大学, 工学部, 教授 (50087574)
梶原 康宏 横浜市立大学, 大学院総合理学研究科, 助教授 (50275020)
|
Keywords | 糖タンパク質 / ライブラリ合成 / 高マンノース型糖鎖 / N-アセチルラクトサミン / 0-結合型糖鎖 / ペプチドチオエステル |
Research Abstract |
真核生物小胞体に存在する高マンノース型糖鎖のライブラリ合成に有用な、「トップダウン型」酵素-化学的合成法の検討を行った。まず共通14糖をデザインし、その化学的合成を完成させた。続いてその酵素反応により、代表的な高マンノース型糖鎖へと導けることを証明した。更に、寄生虫や植物に存在し、免疫応答や感染症との関連で興味が持たれる、特異な構造の糖タンパク質糖鎖の合成を完成した。また、バクテリアに特有のアスパラギン結合型糖鎖の合成を行なった。前年度開発したグリコシル化反応の迅速最適化手法を精査し、複雑な糖鎖に応用できることを示した。N-アセチルラクトサミン構造を持つコア3,4,6型の0-結合型糖鎖を保護されたブロックとして開発し糖ペプチド固相合成に用いてその有用性を明らかにした。一方、大分子の糖タンパク質合成に向けて必要となるペプチドチオエステルのFmoc固相合成法による簡便な調製法を開発した。この他に非天然型糖鎖を結合した糖ペプチドを合成し、シアル酸転移酵素基質として有効である事を示した。生体内での低分解性あるいは持続性を指向した糖ペプチド類縁体作成の一例として研究した。 Fmoc法による複合型の2分岐ジシアリル糖鎖ペプチド-チオエステル体の簡便な調製法を確立した。また、PAM樹脂上のスルフヒドリル基にアミノ酸を縮合し、チオエステルとした後、このアミノ酸を起点とする複合型ジシアリル糖鎖ペプチドをBoc法により構築した。そしてアルキルチオールとの交換反応により固相担体より糖鎖ペプチドチオエステル体を得ることに成功した。これら2つの糖ペプチドチオエステル化法を用いて、Native Chemical Ligationを利用し、アミノ酸76個からならサイトカイン(MCP3)の全合成を検討した。その結果、単一構造の複合型ジシアリル糖鎖を持つ小型糖タンパク質の全合成に初めて成功した。
|
Research Products
(19 results)