2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17GS0420
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 幸成 The Institute of Physical and Chemical Research, 伊藤細胞制御化学研究室, 主任研究員 (80168385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 義昭 東海大学, 工学部, 教授 (50087574)
梶原 康宏 横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 教授 (50275020)
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Keywords | 糖タンパク質 / 高マンノース型糖鎖 / グリコシル化反応 / 立体選択性 / チオエステル / 複合型糖鎖 / ライゲーション |
Research Abstract |
糖タンパク質糖鎖を合成する際に問題となるグリコシル化反応の立体選択性を迅速に最適化する方法を活用し、混合溶媒系が選択性を向上させることを見いだした。この応用として、高マンノース型糖鎖に存在する3連続1,2-シスグリコシド結合を高選択的な合成を行った。胃粘膜に存在し、抗ピロリ菌作用を持つと考えられている、ムチン型糖鎖を立体選択的に合成した。 分担者中原は、Fmoc糖ペプチドチオエステルの生体相互作用の強化を目的としてデンドリマー分子作成へ応用した。ガン関連糖タンパク質であるエムプリンIgドメインの25アミノ酸糖ペプチドを8分岐体約30kDa分子として合成し、最終物の精製には分取SDS-PAGEが有効である事を見出した。続いて昨年度開発した新規チオエステル合成法を用いて、MUC1糖ペプチドのデンドリマー化を行った。本チオエステル合成法により、95アミノ酸からなるケモカインCCL27の合成を行っている。一方、糖鎖の化学合成についてラクトサミンやコア1型糖鎖に含まれるβ-ガラクトシドのベンジル保護体を調製するの有用な合成を開発した。同合成法を用いた0-結合型およびN-結合型糖鎖の合成へと展開中である。 一方、梶原はヒト複合型糖鎖を有するケモカインの合成とその構造解析を行い、糖タンパク質の化学合成をはじめておこなった。小型糖タンパク質を化学合成し、糖鎖とタンパク質のフォールディングの関係を調べる実験をおこなった。糖ペプチドを連結する新しい方法を確立した。この場合は、ペプチドチオエステルとN末端にシステインを持つペプチドをライゲーションで連結後、システイン残基をメチル化、臭化シアンで処理することでセリン残基へ変換する方法を見出した。これにより、ペプチド中のセリン残基の部位で、2つのペプチド鎖を連結できるという方法を確立した。
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Research Products
(39 results)