2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17GS0420
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 幸成 The Institute of Physical and Chemical Research, 伊藤細胞制御化学研究室, 主任研究員 (80168385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 義昭 東海大学, 工学部, 教授 (50087574)
梶原 康宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50275020)
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Keywords | 糖タンパク質 / 小胞体 / プロセシング / チオエステル / 高圧反応 / フォールディング / ライゲーション / エリスロポエチン |
Research Abstract |
伊藤は合成高マンノース型糖鎖を駆使した糖タンパク質プロセシングの定量的解析を中心に、小胞体内フォールディングセンサータンパク質UGGTと、グルコシダーゼ-IIに焦点を当てた解析を行った。その結果、UGGTが比較的厳密な糖供与体特異性を持つこと、グルコシダーゼ-IIが非天然型糖鎖も基質として認識すること、を明らかにした。また、グルコシダーゼ-IIのβサブユニットが糖鎖のトリミングに必須であることを証明した。更に、新奇な小胞体タンパク質であるマレクチンがジグルコシル化糖鎖を特異的に認識することを確認するとともに、そのグルコシダーゼ-IIを活性化することを見出した。 中原は、新規なペプチドチオエステル固相合成研究を進め、高圧合成反応によるFmocアミノアシル-N-エチルシステイン素子を開発した。この素子を用いることでチオエステルの合成に6倍の効率向上を得た。高圧反応を用いない素子合成法も開発中である。硫酸基が置換した糖鎖を含む糖ペプチド、およびLacNAc繰り返し構造を含む糖ペプチドの合成に成功した。いずれも、厳密な脱保護条件検討が必要であった。セリンやトレオニン部位を活用する新たなペプチドライゲーション法を開発した。LacNAcおよびLacdiNAcを含むN-結合型糖アスパラギン誘導体の合成研究に進展をみた。 梶原は、糖鎖付加型のクランビンやオボムコイドを化学合成し、そのフォールディング過程、および最終生成物の3次元構造を調べた。また、T細胞表層の糖タンパク質AILIM/ICOS(Activation inducible lymphocyte immunomediately molecule/Inducible co-stimulator)の特定の糖鎖が細胞表層への輸送に関与していることを明らかにした。合成法開発については、システインを利用しない新規ライゲーション法を確立し大型のシアリルTnペプチドの合成に成功した。複合型2分岐シアリル糖鎖をもつエリスロポエチン誘導体を、化学法と大腸菌発現法の組み合わせにより合成した。得られた糖タンパク質は天然のエリスロポエチンと同等の細胞増殖活性を有していた。
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Research Products
(55 results)