2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高効率量子もつれ光源および検出器の創成と量子もつれ回復プロトコルの研究
Project/Area Number |
17GS1204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
枝松 圭一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (10193997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水津 光司 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20342800)
石原 一 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (60273611)
安食 博志 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (60283735)
中山 正昭 大阪市立大学, 工学研究科, 教授 (30172480)
溝口 幸司 大阪市立大学, 工学研究科, 助教授 (10202342)
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Keywords | 量子情報 / 量子通信 / 量子暗号 / 量子もつれ / 量子光学 / 光物性 / 半導体 |
Research Abstract |
1.励起光源用パルスレーザの開発(水津) 1.55μm帯量子もつれ光子対発生システムのプロトタイプとなる光源を開発した.波長可変レーザからの連続波を強度変調器で切り出した光パルス列を2段階のファイバー増幅器により増幅することで,自然放出光ノイズに対して20dB以上のピークを持つ高ピークパワーのパルス光を得る事に成功した。 2.量子もつれ光子生成PPLNデバイス評価システムの開発(枝松他) 1.55μm帯の量子もつれ光子デバイスを評価するための近赤外マルチチャンネル検出器システムを用いた微弱光分光測定システムを構築した.先行試作したType0およびType1の位相整合PPLNデバイスの縮退点パラメトリック発生試験を行い、設計通りの波長変換が得られていることを確認した。 3.半導体試料の作製・評価(中山他) 量子もつれ光子対を発生させるための基盤となる励起子機能性物質の薄膜結晶成長と励起子光物性の研究を展開した.励起子束縛エネルギーが大きく励起子分子が安定な銅ハライド系とZnOの高品位結晶薄膜の作製に成功し(特にZnOに関しては画期的な成果),励起子-励起子散乱過程のダイナミクスなどの励起子光物性に関する新たな知見を得た.また,これらの物質と組み合わせるキャビティー構造の検討と試作を行った. 4.2励起子状態からの量子もつれ光子発生についての理論(石原,安食他) 励起子分子状態に共鳴する2光子共鳴散乱過程を取り扱うための理論モデルを構築した.本年度は主に(1)ナノ構造におけるもつれ合い光子対生成を記述する全量子理論の開発と(2)量子井戸におけるもつれ合い光子対生成の共振器による増強効果の研究を行い,ナノ試料においてもバルクを凌ぐ生成効率が得られること,共振器によって生成効率を劇的に増強する最適条件等を明らかにした.
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Research Products
(10 results)