2008 Fiscal Year Annual Research Report
超高効率量子もつれ光源および検出器の創成と量子もつれ回復プロトコルの研究
Project/Area Number |
17GS1204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
枝松 圭一 Tohoku University, 電気通信研究所, 教授 (10193997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 一 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60273611)
中山 正昭 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30172480)
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Keywords | 量子光学 / 光物性 / 量子エレクトロニクス / 量子情報 / 半導体物性 |
Research Abstract |
1.量子もつれ光子生成,検出用PPLNデバイスの開発(枝松他) 昨年度に理論提案した2周期擬似位相整合を用いた非縮退偏光量子もつれ光子対生成素子を実際に作製し,偏光相関測定により量子もつれ光子の発生を実証した.また,通信波長帯から可視光帯へのアップコンバージョン検出素子に関し,内部効率がほぼ100%の高効率な変換を実証した. 2.半導体微小共振器からの量子もつれ光子発生の理論(石原他) 微小共振器構造を用いた量子もつれ光子対生成に関して,実験検証が格段に容易な新手法を提案した.そのスキームに対応する試料の作製法,特に重要なパラメータであるラビ分裂の制御の方法を考案し,実験的に得られたラビ分裂の値の変化を精度良く説明することに成功した.また,共振器中のV型3準位によるもつれ合い光子対生成の手法を理論的に提案し,励起光の偏光と周波数の選択により4つのBell状態の全てが同じ共振器系から生成可能であることを明らかにした. 3.半導体微小共振器試料の作製・評価(中山他) rfマグネトロンスパッタ・真空蒸着法の複合方式により,HfO_2/SiO_2多層膜をDBRとした安定なCuCl微小共振器の作製に成功した.ループ共振器構造を用いることで,量子もつれ光子対生成において重要な要因であるラビ分裂を精密に制御できることを実証した.
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