Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, 平成28年度に明らかにした年長5歳児, 1年生6歳児それぞれの発達段階における話す能力・聞く能力のねらいを見直し充実を図るとともに, 平成28年度に開発したカリキュラムの効果について検証することであった。 研究の方法としては, 平成28年度に開発したカリキュラムに沿った単元における1年生6歳児の発話を記録した。その発話記録を基に, 6歳児の話す能力・聞く能力のねらいを見直し, さらにそのねらいをカリキュラムに反映・修正し, 実践した。実践を行った際には, 児童の発話やパフォーマンスからねらいの達成状況を分析した。 実践した単元は, 第1学年(6歳児)の4月単元「ふしょうになかまいりしよう」と11月単元「こだわりのおみせやさんをひらこう」の2単元である。4月単元では, 初めて出会うクラスの友達が混在するようグループ(4~5名)を構成し, そのグループで明石公園を探検する活動を行った。探検にあたっては, 広い敷地の公園内をどのような順序で回るのか, どこでどんな遊びをするのか各グループで話し合い計画を立てた。11月単元では, 5~8名のグループでイメージするお店のこだわりを「○○なお店」と言葉に表し, 自分たちの作る商品がその「○○なお店」に合っているかどうかを話し合い確かめながら商品作りを進めた。両単元とも, 話し合う際には, ①姿勢, 表情, 声の大きさ, 速さといった非言語性のコミュニケーションの表出と, ②理由, 言葉遣いといった言語性のコミュニケーションの表出を観点に支援, 評価を行った。ただし, 4月単元は①非言語性コミュニケーションの観点に, 11月単元では②言語性コミュニケーションの観点に比重を置いて支援, 評価を行った。 両単元ともに, 単元の評価規準を8割以上の児童が達成していたこと, 4月単元から11月単元にかけて特に①非言語性において達成児童の割合が増加していることから, カリキュラムの効果が確認された。
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