2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00153
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Research Institution | 遊佐町立遊佐中学校 |
Principal Investigator |
信夫 智彰 遊佐町立遊佐中学校, 教諭/中学校教員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 数学的モデリング / 異学年合同学習 / 中学校数学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、異学年合同による数学的モデリングの授業を実践し、その成果を検証した。 具体的には、中学2, 3年生合同で「海に面する地域にある本校をPRするために、学校から海岸の写真を撮影したい」という現実的な課題意識のもと、ドローンを利用すれば学校から海を撮影することが可能か、可能であれば地上から何mの高さで撮影する必要があるのかを地図やPCを用いて検討させた。 その結果、生徒は地図から距離や標高などの情報を収集し、側面図を作って撮影高度を算出した。さらに算出した答えに対し「砂防林の木の高さ」「学校の標高」「ドローンの飛行性能」「ドローンに関する法令」といった観点から再検討を行い、現実的に考えることの難しさやその意義を感得していた。特に法令に対して検討する経験は強く印象に残った様子だった。 また、本課題を2年生のみで実践したところ、ほとんどの生徒が側面図の作成と比を用いての算出で困難が生じ課題解決できなかった。一方2, 3年生合同で行った場合、2, 3年生ともに着想を出し合い、相互に補填することで課題解決する様子が見られた。そして3年生が解決過程の説明、支援を行うことで2年生も自力解決できるようになった。さらに, 3年生が課題解決後に自発的に再検討していると、それを見ていた2年生もその活動を共有する様子が見られた。学習後の感想では2年生が3年生の学習姿勢を尊敬する記述が多く見られた。 本実践が身近な問題を数学化し解決する経験を与えることはもちろん、様々な観点から再検討しより精緻な解を求める活動を発生させること、そしてその意義を感得させることが分かった。また異学年合同で実践することで、生徒により多様なモデルを提供するだけでなく、上学年生徒の優れた学習活動を共有することでその学習姿勢を今後の参考として獲得させることにつながっており、少なからず価値を有するものと考えられる。
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Research Products
(2 results)