2017 Fiscal Year Annual Research Report
博物館での特別支援教育機関対象海洋教育プログラムにおける, 障害別指導手法の研究
Project/Area Number |
17H00273
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長谷部 阿由美 東海大学, 海洋学部博物館, 博物館学芸員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 博物館 / 特別支援学校 / 海洋教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、特別支援教育機関を対象とした博物館における海洋教育プログラムにおいて、参加者の障害や状況に合わせたきめ細かな指導・運営方法の構築を目的に、プログラム参加校との情報交換を円滑にする調査の導入と、活動を補助する資料の開発を試みた。 ●研究方法 : 本研究の対象は、海洋生物に触れて生態を学ぶ体験型教育プログラム『タッチプール』に参加する特別支援学校及び学級である。参加する児童生徒の普段の様子や学習方法などをアンケート形式で問答する「調査票」を用いた事前調査を、担当教員向けに実施した。また、校内での「事前学習(触る練習)」推進も図った。本プログラム終了後、引率教員全員にアンケート調査(事後調査)を行い、それぞれの効果を分析検証した。さらに、視覚障害を持つ児童生徒をサポートする資料として、3Dスキャナ及びプリンタを用いた「生物模型」と、館内の展示構成を記した「点字ガイドブック」を製作した。海洋生物の形をイメージするのに適した手段を探るため、ガイドブックに点図及び立体コピーによる触図を取り入れた。これらの資料は、県内の視覚特別支援学校に在籍する教員及び関係者にアンケート調査を行い、機能するか分析検証した。●結果 : 「調査票」を用いた事前調査及び事前学習の導入は、調査対象であった2校10名の教員全員が導入を支持し、活動自体に対しても高評価を得たことから、参加者一人一人に寄り沿った活動を提案する上で有効な手段であると考えられた。新たに開発した補助資料は、3校28名の教員・関係者から回答を得た。生物の形をイメージする手段としては、生物模型の評価が高く、28.6%が補助資料として機能する、60.7%が改善は必要だがあるとよいと回答した。多種多様な生物を扱う博物館において有効な教材資料になると考えられるが、製作上での問題が多く、今後の課題として残った。
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