2017 Fiscal Year Annual Research Report
スムーズインパクト駆動を利用した小型高汎用性超音波モータの開発
Project/Area Number |
17H00343
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小松 和三 秋田大学, 大学院理工学研究科, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 超音波モータ / 圧電素子 / 板状部品 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 超音波モータは, 圧電素子で発生する超音波領域の機械振動を駆動源とし, 圧電素子に印加した電気エネルギを機械エネルギに変換して物体を摩擦駆動するアクチュエータである. このモータは, 他のモータに比べて体積比に対するトルクが高い, 位置決め精度に優れている, 磁気の影響を受けないなどの特徴により, 精密位置決めステージ, カメラのオートフォーカス機構, MRI下で使用する機器のアクチュエータとして利用されている. これまで, 様々な超音波モータが開発されてきたが, 複数の圧電素子を使用しなければ, 物体を正転・逆転の双方向へ駆動することが出来ず小型化が困難であった. そこで本研究では1つの圧電素子とコの字型板状部材を直列に配置した構造の超音波モータを製作し, さらなる小型化を図るとともに, 双方向駆動が可能なスムーズインパクト駆動型の超音波モータを開発し, その性能を検証することを目的とする. 2. 本研究では, 新たに発案したコの字型板状部材を導入したインパクト駆動型超音波モータを設計製作し, その性能を検証した. 本駆動装置は位置決めを行うステージ部, ステージに取付けられた移動体を駆動するステータ部, 移動体となるロータ部から構成される. ロータにはφ3mmのミニチュアベアリング(SUS304)を使用した. 3. 実験条件は, 入力信号をノコギリ波形, 印加電圧±4V, 駆動周波数は11 kHzにおいて, 時計回り・反時計回りともに約3rpmの結果を得た. なお, 駆動周波数を変更した実験では, 時計回り・反時計回りで回転数にばらつきがあったものの, 回転数を高められることを確認した. 以上より, 同原理の先行研究と比較し, 開発した本超音波モータは, 圧電素子1つのみで双方向駆動を可能とし, ステータのサイズの小型化および駆動電圧を低く抑えることができた.
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Research Products
(1 results)