Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 ワイヤレス給電技術の一方式である「磁気共鳴方式」で走行中の車両に電力を供給し, 「電気自動車の航続距離の延長」と「プラグレス充電による安全性の向上」を図ることを目的とし, コイル形状およびコイルの中心軸のズレによる給電効率と給電距離について, シミュレーションと実験結果から検討して, 最適なコイル形状および配置を導き出すことを目的とする. 【研究方法】 Photon社製のシミュレーションソフト「PHOTO-EDDY jω」を用いてシミュレーションを実施した. コイル形状は、スパイラル型とヘリカル型について実施した. 直径は, 50, 100, 200mmとし, 送受電コイル間のギャップは50, 100, 200mmと変化させた. 共振周波数が100kHzとなるように条件設定をして実施した. また, シミュレーション結果を実証するため, コイルを製作して実験した. この時, コイル径は100mmとし, 巻き数は, シミュレーションによって得られたL=55μHとなるように35[巻]とした. 【研究成果】 シミュレーションでは, スパイラル型が送電距離・効率ともヘリカル型を上回っていた. シミュレーション結果を実証するため, 同型のコイルを3Dプリンタで製作したボビンに銅線を巻き付けて製作した. スパイラル型では, ギャップ60mmで、給電効率が15%程度とシミュレーションより低い結果となった. ヘリカル型は, ギャップが10mmを超えると給電を確認出来なくなった. 周波数を連続的に変化させると, 効率の改善を確認出来たため, 基板の浮遊容量の影響を受けていたと考える. また, シミュレーションでは, コイル1本ずつの形状を設定できず, 電流をnI[A]で設定するため, 銅線間の静電容量の分, シミュレーションとの差異につながったと考える. このことは, 先鋭度Qが大きくなるように設計していたため, 大きな差異となったと考える. 本研究は, 電源の性能上小電力で試験したため, 回路素子の損失を無視できなかった. 今後, 電力を増大して試験する必要がある.
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