2017 Fiscal Year Annual Research Report
X線CTデータを活用したモデル生物の高精細3DCGアトラス作成の試み
Project/Area Number |
17H00440
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
前野 哲輝 国立遺伝学研究所, 技術課, 技術職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | X線CT / 3Dモデル / コンピューターグラフィックス |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】近年、生物学分野の研究においてもX線CT装置が広く活用されるようになった。しかしながら、それらCTデータから得られる断面像を正確に理解するためには、生物種ごとの形態学的知識や画像解析ソフトウェア操作の習得などが不可欠で研究活用への大きな障壁となっている。この解析面での問題を解決するために、当研究所が生物遺伝資源事業で提供するモデル生物(マウス、ゼブラフィッシュ、イネ)について、X線CTの性能を最大限に引き出した高精細な画像を取得し、それらのデータから煩雑な画像解析ソフトウェアを使用することなく観察可能な断面動画や、構造物を直感的に理解しやすい3DCGモデルを作成し、構造名を付記して公開する「3D画像アトラス」作成プロジェクトを計画している。今年度はその基盤となるCGソフトウェアの導入と、それらを用いた3Dモデルデータの作成およびネット上への公開方法を検討した。【研究方法】マウス胎児(10.5~18.5日齢)のCTスキャンデータを使用し、断面動画の作成にはOsiriXを、全身や内部臓器の3Dモデル作成にはImarisを使用した。3Dモデル作成の第1段階としてImarisによる臓器抽出法を検討し高精細な3Dモデルを得た。第2段階としてそのモデルを高性能CGソフトウェア「CINEMA4D」に読み込み、3D空間内に臓器観察しやすいようにモデルを配置し、次いでポリゴン削除などの編集を行った後、Web公開用の3Dモデルデータを作成した。第3段階としてそのデータを3Dモデル共有サイト「Sketchfab」に投稿し、臓器名の付記など各種設定を行って公開した。【研究成果】OsiriXによる効果的な断面動画作成法や、Imarisによる高精細3Dモデル作成法を見出した。これらの手法はマウス胎児を中心にゼブラフィッシュやトウモロコシなどの実際の研究支援に活用され複数の論文発表に貢献した。またCINEMA4Dについてはセットアップと並行して講習会等に参加して基本的な操作法を習得し、実際にSketchfab上に合計30個の3Dモデル(マウス胎児全身10、マウス胎児の脳2、マウス胎児内臓4、ゼブラフィッシュ8、棘皮動物6)を公開した。これらのモデルは様々な角度から自由に観察可能であり「3D画像アトラス」として十分に機能することを確認した。
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Research Products
(11 results)