2017 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌患者の放射線治療における患者QOL評価に関する検討
Project/Area Number |
17H00536
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
吉見 千明 岐阜大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 頭頚部癌 / 放射線治療 / QOL評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部がんの放射線治療においては口内炎が高頻度に発現する。口内炎は食事摂取量低下や経口摂取困難を引き起こし、患者のQOLが著しく低下するとともに治療の継続が困難となることもある。我々はこれまでに、ポラプレジンクとアルギン酸Na(PZ-AG)の懸濁液により、放射線(化学)療法や大量抗がん剤による重篤な口内炎を予防できることを明らかにした。またPZ-AGによる予防を行うことで、患者の治療期間延長、在院日数の延長を防ぐことができることも明らかにした(Int J Cancer 127 : 1984-1990(2010), Anticancer Res, 34 : 7271-7(2014), Head Neck, 38, 1387-92(2016))。これらのことから、治療中の患者のQOLについても改善していることが予想されたが、QOL評価はできていなかった。また文献的にも頭頚部癌放射線治療中の患者についてQOLを評価した報告はない。そこで本研究ではEuroQolが作製した質問票であるEQ-5D-5Lを用いて、QOLの評価を試みた。 本年度中に放射線治療を行った患者に対して検討を行ったところ、5項目の内で普段の活動、痛み/不快感の項目で評価が低下していた。またその低下は口内炎の重症度に関連する傾向が認められた。一方で症例数が不十分であったため公用値を算出できず、口内炎を予防した患者と予防しなかった患者間での比較等は行えなかった。別に外来化学療法施行患者においてもQOL評価を行ったところ、普段の活動、痛み/不快感の項目で低下が認められ、特にしびれや痛みを有する患者で痛み/不快感の項目で評価が低下していた。以上のことから治療中の患者においては特定の項目で評価が低下する傾向があった。本検討は放射線治療中の患者のQOL評価を試みた新たな検討であり、今後も継続的に検討を行う。
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