2017 Fiscal Year Annual Research Report
新しい画像変形技術を利用したPET/CT画像に基づく放射線治療計画に関する研究
Project/Area Number |
17H00598
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
片山 博貴 香川大学医学部附属病院, 放射線部, 診療放射線技師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | PET/CT / Deformable image registration / 治療計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 : PET/CT画像は非剛体レジストレーション(Deformable Image Registration : DIR)といわれる新しい画像変形技術を用いることによって治療計画CTと精度よく一致させることが可能となった。しかし、画像変形にともなってSUVが変化することが予想され, 変形後のSUVに基づく輪郭作成では描出される領域が異なることが考えられた。基礎的な画像変形によるSUV変化の特性を解明することを目標とし, ファントムを用いた検討を行う。 研究方法 : 脳メチオニンファントム(糸井樹脂製作所)を利用した。模擬腫瘤として38mmの球体ファントムとその変形を想定し、同一容量で形状の異なる楕円球ファントムを使用した。はじめに、38mmの球体ファントム内にFDGと造影剤の混合溶液を封入して、PET/CT画像を撮影した。変形前の状態として球体のSUVmaxを測定した。腫瘤領域はSUV2.5, SUVmaxの40%(40%SUVmax), Gradient-base(GB)の3種類で作成した。次に、38, 27, 20, 16mmの球体ファントムと3種類の楕円球ファントム内に造影剤のみを封入し、計画用CT画像を撮影した。DIRソフトウェアを利用し、PET/CTの球体ファントム(38mm球)に変形を加えた。変形PET画像に対して球体のSUVmaxを測定し、DIR前後で比較した。腫瘤領域も同様に3種類の方法で作成し、比較した。 研究成果 : DIR前後でのSUVmaxは平均で2%程度低下することが明らかになった。また、変形後に球体が小さくなるような変形の場合にはより低下率が大きくなった。これは、変形後のPET画像のvoxelサイズが計画CT画像と一致するように、周辺のintensityから補間によって作成されることに起因すると考えられた。腫瘤領域はDIR前後でSUV2.5や40%SUVmaxの領域は5%以内で一致したが、GBではDIR後のPET画像で作成される体積は10%を超える体積増加が明らかになった、これはDIRによって腫瘤境界のintensityのプロファイル形状に歪みが生じるために、正確な領域を描出できなかったと考えられる。以上より、DIR後のPET画像のSUV変化は2%程度で大きな変化は生じない。しかし、輪郭作成においては利用する描出法によって差が生じることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)