2017 Fiscal Year Annual Research Report
試験管内インフラマソーム再構成システムを利用した創薬と診断プローブの開発
Project/Area Number |
17H00599
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
金子 直恵 愛媛大学, 医学部, 技術員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | インフラマソーム / コムギ胚芽無細胞タンパク質合成技術 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフラマソームとは、病原微生物や代謝産物などの分子パターンを認識して活性化する細胞質内タンパク質複合体の総称であり、炎症性サイトカインであるIL-1βやIL-18の産生を誘導することで、炎症反応を惹起する。インフラマソームは、リガンドを認識するNod-like receptors(NLR)s、IL-1β前駆体を切断して活性化する酵素であるカスパーゼ1、それらのアダプター分子として働くASCにより構成されている。多くのNLRsが、遺伝性炎症疾患やメタボリックシンドロームと関連していると報告されている。昨年度までに、インフラマソーム構成タンパク質を、コムギ胚芽無細胞合成技術を用いて合成し、Alpha(Amplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay)で検出することにより、NOD1, NOD2ノドソーム、AIM2, NLRP3, NLRC4インフラマソームの試験管内再構築に成功している。これらの系のうち、本年度は、とくにNLRP3インフラマソームについて、直接阻害する分子の探索により、炎症疾患の分子標的薬の開発を目指すと同時に、インフラマソームを活性化する分子の探索を行なった。 まず、東京大学創薬機構から提供を受けたコアライブラリを対象に、一次スクリーニングを行った。有力な化合物についてはタイトレーションを実施後、阻害する化合物と活性化がみられる化合物を見出した。次に、これらの化合物を対象に、二次スクリーニングにとりかかった。具体的には、HEK293T細胞にインラマソーム構成分子を発現するプラスミドを強制発現させる方法での効果の確認及びヒト末梢血での効果を確認した。いずれも同時に細胞毒性を評価した。これらの結果を基に特許申請を行なった。今後は有力な候補化合物を、炎症可視化マウス(IDOL)と疾患モデルマウスを用いて、個体レベルでの有用性を評価する。
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[Journal Article] Poly(I : C) and hyaluronic acid directly interact with NLRP3, resulting in the assembly of NLRP3 and ASC in a cell-free system2017
Author(s)
Kaneko N, Ito Y, Iwasaki T, Takeda H, Sawasaki T, Migita K, Agematsu K, Koga T, Kawakami A, Yashie A, Yoshiura K, Morikawa S, Kurata M, Masumoto J.
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Journal Title
European Journal of Inflammation
Volume: 15
Issue: 2
Pages: 85-97
DOI
Peer Reviewed
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