2019 Fiscal Year Annual Research Report
形状・照明・反射率を含めた環境全体の高精細3次元復元
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17H00744
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥富 正敏 東京工業大学, 工学院, 教授 (00262303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 孝弘 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (00396904)
鳥居 秋彦 東京工業大学, 工学院, 助教 (20585179) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コンピュータービジョン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,異なる時刻・視点で撮影された画像から,カメラ・物体の3次元幾何情報とともに,撮影時の光源分布と物体の表面反射率の推定を行うMulti-View Inverse Rendering(MVIR)を格段に発展させることにある.2019年度は,プロジェクト3年目のテーマとして主に,「光源モデルの拡張」および「反射率モデルの拡張」に関する研究を実施した. 「光源モデルの拡張」では,RGB球面調和関数モデルを発展させ,プロジェクタを利用した近接光源モデルおよび分光スペクトルモデルへの拡張を実施した.プロジェクタをアクティブ光源として,構造化光(Structured light)照明およびマルチスペクトル照明として活用することで,物体の密な3次元形状に加えて表面の正確な分光反射率情報を取得可能な光源モデルを構築した. 「反射率モデルの拡張」では,RGB反射モデルを発展させ,分光反射率モデルへの拡張を実施した.分光反射率モデルでは,物体固有の各波長に対する表面反射率をモデル化することにより,従来のRGB反射モデルと比較して,物体固有の光学特性をより忠実に表現可能な反射率モデルを構築した. 上記の「光源モデルの拡張」および「反射率モデルの拡張」の成果を融合して,プロジェクタ1台とカメラ1台のみを用いて物体3次元形状と分光反射率を同時に取得可能な,低コストかつ実用的な分光3次元計測システムを開発した.得られた成果は,コンピュータビジョンのトップカンファレンスであるICCV2019などに採択されるに至っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究プロジェクト3年目として,主に2つのテーマについて研究を進めた.「光源モデルの拡張」では,プロジェクタを利用した近接光源モデルおよび分光スペクトルモデルを構築した.「反射率モデルの拡張」では,物体固有の各波長に対する反射率をモデル化した,分光反射率モデルを構築した.これらをまとめた成果は,コンピュータビジョンのトップカンファレンスであるICCV2019などに採択されるに至っている.さらに,現在複数の論文を,主要国際会議に投稿中である.研究に必要な計算機や撮影環境等の整備も順調に進み,研究はおおむね順調に進んでいると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画通り,段階的に設定した4つのテーマ「スケーラブルMVIR」「フォト・ジオメトリックバンドル調整」「光源モデルの拡張」「反射率モデルの拡張」の研究成果を統合し,研究目的を達成するためのアルゴリズム開発を実施する.「光源モデルの拡張」および「反射率モデルの拡張」に関しては,これまでの研究で得られた成果をベースとして,さらに発展的なアルゴリズム開発を実施する. 「光源モデルの拡張」では,より汎用的なLEDライトを用いた光源モデルを提案することで,撮影環境やシーンの各状況に応じた,より忠実な光源モデルの実現を目指す. 「反射率モデルの拡張」では,反射光の偏光情報を活用したMVIRの枠組みを提案することで,より高精細な3次元復元が可能なアルゴリズムの実現を目指す.
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Research Products
(18 results)