2017 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-national comparative study on vehicle horn use: Design of vehicle horn and transportation system in the next-generation mobility society
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17H00812
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高田 正幸 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (40315156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大枝 良直 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10253501)
山内 勝也 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 研究員 (10380718)
金 基弘 駿河台大学, メディア情報学部, 准教授 (90584665)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 警笛 / 交通システム / 交通環境 / 騒音影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
国内外の警笛の使用状況を把握するため,まず台湾・台北市で調査を行った。具体的には,台北市中心部の3箇所の交差点で,平日と休日の7時から19時の間,交差点内の映像を録画するとともに,交通騒音の騒音レベルの測定および録音を行った。また,道路の幅員,車線数,信号周期等の情報も併せて記録した。収集したデータより,交差点内を通過する車種ごとの交通量,警笛が用いられたときの交通状況を分析した。また,交通騒音の録音データに警笛の発生時刻をマーキングし,毎時10分毎の警笛の発生回数をカウントした。 結果として,休日の場合は総交通量の増加とともに警笛の発生回数も増加し,両者の間に関連がある可能性が示された。平日の場合,8時頃と17~18時頃に通勤・退勤ラッシュと見られる交通量の顕著な増加が見られる一方,警笛の発生回数には対応する増加が見られなかった。車種ごと(普通,大型,二輪)に同様の分析を行ったところ,平日,休日とも,普通車の交通量が増加するとともに警笛の発生回数も増加する傾向が見られた。車種ごとに見ると,二輪車の交通量が非常に多かったが,警笛の発生には普通車の交通量が関係する可能性が示唆された。 さらに,信号の周期の中のどのタイミングで警笛が使用されているかを調べた。例えば,青信号の間に交差点を通過しきれず立ち往生した車両が,別の方向の車線の信号が青信号に変って交差点に進入してきた車両の通行を妨げる状況が頻繁に見られ,このような状況で警笛が使用されることが多かった。その他にも,交差点内の交通状況と警笛使用の関係が定性的に把握できた。 台湾の警笛に関する法規や基準を調査したところ,音量や周波数特性等の音響的特徴に関しては日本を含む各国と概ね同様であることが分かったが,その使用法については若干異なる点が見られた。 以上の知見に基づき,今後警笛使用の要因とその影響を検討するための調査票を作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国外での警笛使用の実態を把握するための調査を台湾・台北市で実施し,複数の交差点で交通量や道路構造,信号の周期等,交通環境や交通システムに関するデータを収集するとともに,警笛の発生と対応付けて分析した。結果として,警笛の発生と普通車の交通量の関係や,警笛が使用されやすい交通状況を把握することができた。また,警笛に関連する台湾の法規や基準について知見が得られた。さらに,平成30年度に実施予定のアンケート調査で用いる調査票の内容も検討している。これらの成果は当初の計画に沿うものであることから,以上のように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
台湾・台北市で収集したデータを元に,警笛使用の要因やその影響を検討するための調査票を作成し,同地域でアンケート調査を実施する。アンケートの参加者には,警笛を使用するドライバーと鳴らされるドライバーおよび非ドライバー(歩行者等)の立場で,警笛が使用された状況(場所,時間帯,交通量,使用目的等)と,鳴らされたときの心理状態,さらに参加者自身の個人規範や道徳意識,交通関連法規に関する知識の有無などについて回答を求める。得られた回答から,「警笛が使用された交通環境やその状況(外的要因)」「警笛使用に対するドライバー自身の意識(内的要因)」「関連法規に対するドライバーの認識」等と警笛の使用傾向の関連,警笛がドライバーや歩行者の心理に及ぼす影響,警笛の音量や音質についてのドライバーと歩行者の評価といった観点で分析を行う。 同時に,前年度と同様,警笛の発生状況や交通システムに関するデータ収集を目的とした国内での実測調査も実施する。前年度のデータも併せて分析し,警笛使用の抑制に有効な交通システムや交通環境の検討を行う。 また,最終年(平成32年)に実施予定のドライバーの行動実験で用いるドライビングシミュレータの整備を開始する。
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Research Products
(5 results)