2017 Fiscal Year Annual Research Report
教育工学分野の人材育成のためのMOOC運営と評価認定に関する総合的研究
Project/Area Number |
17H00825
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中山 実 東京工業大学, 工学院, 教授 (40221460)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 克明 熊本大学, 教授システム学研究センター, 教授 (90206467)
向後 千春 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00186610)
植野 真臣 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50262316)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | e-ラーニング / インストラクショナルデザイン / e-テスティング / 情意評価 / 学習評価モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)主要講義の設計と教材開発および評価法の検討: 開発したカリキュラムに基づき、2つの授業について講義内容の設計、オンライン教材を作成した。これらは既に対面で実施されている内容でそれらの実施方法についても検討した。また、作成の負担を軽減させる方法も検討した。評価法として、学習者が自身で取りまとめる内省報告などによる方法を検討した。 (2)遠隔教育として実施運営体制の構築: 開発した教材の提供と評価を実施するために、webサービス提供サイト上に研究分担者が開発運用していたシステムを構築し、開発された教材の提供と評価実施可能性を検討した。 特に、開発した教材を、大学等で行う授業の補助教材として活用するための運用法を検討した。 なお、教材の提供方法に対応させると共に多数の学習者にも対応できるようにするために、システムを改修する必要性が生じたため、初年度の実施を半年延長させる必要性があった。 (3)遠隔教育による学習者データの収集と分析: 本研究で運用しているシステムでの学習者活動を評価するために、システムへのアクセスログ、内省、提出物、オンライン討論の分析評価法について検討した。特に、協同作業におけるノート記録や討論内容の言語的特徴による評価について検討した。 (4)学習者の情動評価システムの開発: 学習者の情動評価のための実験システムを構築し、活動評価の可能性を検討した。特に、眼球計測において高速計測を実施し、快-不快の情動を脳波や瞳孔での検討に加えて、微小な眼球運動による分析を行い検討した。 (5) 海外との教育工学に関する研究調査を兼ねた研究交流: イタリアの国立教育工学研究所(itd)でセミナーを、サレント大学でラウンドテーブルを2018年3月に開催した。itdセミナーでは研究所内外の研究者と、サレント大学では研究者および多数の学生と情報交換を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題を構成する個別の研究内容については、計画通り進んでいるが、e-learning教材の製作と運用で問題があった。 ・e-learningプラットフォームの整備: プロトタイプコースの運用開始後、学習利用形態や取得データの記録方法等の運用状況の評価確認を行った結果、当初予定していた学習素材を提供し行動を記録する形式では、多様な学習活動や学習評価ができず、目的とする学習内容でデータ取得ができないことが判明したため、システムの運用と学習内容の設計方針の再構成を行う必要が生じた。このため、運用していたシステムをいったん休止させて、改修作業を進めた。 ・オンライン教材の運用方法: 作成依頼や作成を進める段階で、対面授業を進めながら本システムを利用するニーズがあり、これに対応する方法を検討した。検討の段階では、その都度、管理者が対応する必要があり、運営方法についても今後、改めて検討することにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究遂行において新たに確認された問題に対処も含めて、今後、以下のように研究を実施する予定である。 (1) 講義設計とオンラインコースの提供方法に関する検討: 改修されたe-learningプラットフォームによる教材の提供や機能を考慮した教材開発の手法について検討する。特に、対面授業において本システムを活用する手法を検討する。 (2) 遠隔教育の実施運営体制の強化: 開発した教材の提供方法として、多様な利用環境で利用できるようにする。例えば、スマートフォンでも閲覧できるような機能を追加する。 (3) オンライン環境での討論と評価法の開発: オンライン学習の環境で、掲示板の利用やその学習効果を検討する。これらの学習データ蓄積に伴って、蓄積データを評価に適用する手法について研究開発する。 (4) 学習における情動変化の検討: 学習状態の評価として、学習者の情意や負荷の変化評価に関する研究開発を継続的に行ない、学習行動のモデル化を行う。
|