2017 Fiscal Year Annual Research Report
高体温誘発性換気亢進反応のメカニズム解明と熱中症予防への応用
Project/Area Number |
17H00876
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西保 岳 筑波大学, 体育系, 教授 (90237751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 恵嗣 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (00431677)
藤井 直人 筑波大学, 体育系, 助教 (00796451)
本田 靖 筑波大学, 体育系, 教授 (20165616)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 体温 / 換気 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1:暑熱下間欠的運動時の冷気吸入時の体温及び呼吸循環調節 暑熱環境下 (気温35°C) での中強度間欠的運動 (60%VO2peak) における休息時の冷気吸入が、間欠的運動時の体温および呼吸循環応答に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。被験者男女あわせて10名に対して、暑熱環境下 (環境温35°C、相対湿度50%) において、5分間の一定負荷運動 (60%VO2peak強度、 60rpm) と3分間の休息を1セットとして、これを8セット行うものとし、休息時に①室内の空気を吸入する条件 (Hot-air条件) および②冷気を吸入する条件 (Cold-air条件) の2条件を行う。本実験のような暑熱環境下における中強度間欠的運動の休息時における冷気吸入 (約27°C) は、体温、呼吸循環および代謝応答には影響を及ぼさないが、無酸素性代謝亢進反応の抑制、主観的指標を低下させることが示唆された。
研究2:暑熱下運動時の100%酸素吸入時の換気・脳血流反応 暑熱下一定負荷運動時における高体温誘発性換気亢進反応に末梢化学受容器が及ぼす影響について検討した。被験者は11名の健常男性とし、室温25°C、相対湿度50%の暑熱下において、55%最大酸素摂取量強度の一定負荷自転車運動を行った。安静時、運動開始5分目 (運動時ベースライン) および運動時ベースラインよりも食道温 (Tes) が0.5、1.0、1.5°C上昇した時に、末梢化学受容器の活動を抑制するための高酸素吸入を30秒間行った。高酸素吸入によって末梢化学受容器の働きを一時的に抑制することで体温レベルに関わらず運動時のVEが低下したが、いずれの場合も低下の程度は15%程度であったことが示された。従って、末梢化学受容器は運動時における高体温誘発性換気亢進反応にほとんど関与しないことが示唆さた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた2つの研究が遂行でき、結果も興味深く、次年度(30年度)につながるものであったため。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の研究を30年度に行なう計画である。
研究1:暑熱下運動時の換気亢進反応に対する事前カフェイン投与の影響
研究2:暑熱下における携帯型冷気吸入装置の開発
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