2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of just-in-time adaptive intervention for behavioral modification based on continuous psycho-behavioral monitoring under daily life
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17H00878
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 義春 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (60251427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 剛司 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (40360234)
吉内 一浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70313153)
早野 順一郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90173054)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 身体活動 / 行動・状態推定 / 介入指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、(a)実時間データに基づき必要なときのみ介入を行う仕組み(Just-in-Time Adaptive Intervention; JITAI)を実現するためのシステムの改修・汎用化、および小規模調査によるシステムの動作確認、(b)健康リスク指標開発のための行動・状態推定技術の開発、(c)JITAIアルゴリズムの開発とその動作検証実験を行った。 (a)については、小型環境センサーおよびリストバンド型高精度活動・心拍センサーを接続し、リアルタイムでの自動データ収集や、サーバーからのオンデマンドによる心拍測定のための機能追加を行った。また、このシステムを用いて、介護・福祉系の職に従事する成人約30名を対象としたecological momentary assessment(EMA)による日常生活下での気分・身体症状調査と活動・睡眠測定を約2週間行った。 (b)については、大規模体幹加速度データ(約8万名)から高精度に睡眠覚醒が判定可能なアルゴリズムを構築し、睡眠指標に関する疫学的知見(年齢・性別・気象・地域依存性など)を得た。また、深層学習を用いたクラスタリングにより日常生活下動作(歩行/走行などの運動や姿勢の状態など)の分類手法の開発を行った。加えて、うつ病患者と勤労者(約300名)から得られたデータを用いて、身体活動の状況(リストバンド型活動センサーにより取得)からうつ病患者であるか、あるいは抑うつ傾向にあるかどうかを推定するための機械学習による分析を開始した。 そして、(c)に関しては、育児中の母親約40名を対象とした生活リズム(起床、就寝のタイミング)改善のためのJITAIアルゴリズムを開発し、EMAによる調査(気分・身体症状、睡眠、育児行動など)を約2週間にわたって行うとともに、後半の1週間は、それらの記録に基づくJITAIを実施した。 これらの予備的調査・分析を通じて、JITAIの実行可能性を確認するとともに、大規模集団を対象とした試行に向けての課題を洗い出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
うつ病臨床例での検討開始が遅れている。倫理審査が遅れているためであるが、2019年5月中に審査を受けることになった。それ以外は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、健康リスク(気分の悪化、睡眠の乱れ、身体活動不足など)の検知に基づく実時間介入手法の開発と検証を進め、大規模集団におけるJITAIの本格的な試験を見据えた研究を行っていく。具体的には、健常勤労者における身体活動不足(座りすぎ)の解消や、うつ病患者における睡眠習慣の改善をねらった介入試験を行う予定である。 必要なときに適切な介入を行うJITAIの手法は、人によって介入を受けるタイミングや内容が異なるだけでなく、同じ人であっても受ける介入のタイミングや内容はその時のその人の状況によって異なる。本研究では、このように個人間だけでなく個人内でも「微細にランダム化された試行」(Klasnja et al., 2015)を行うことによって、介入のどの要素が効いたのか、いつ効いたのか、どのような心理社会的文脈が影響したのかなどを調べ、共通するパターンや特性を発見していくことで最適な介入方法を見つけ出す。 大規模試験によるJITAIシステムの検証・実証を通じて、臨床への応用について検討する。
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Research Products
(10 results)