2017 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical biology of natural products involved in plant-microbe interaction
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17H00885
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上田 実 東北大学, 理学研究科, 教授 (60265931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 洋輔 東北大学, 理学研究科, 講師 (80599762)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 宿主選択的毒素 / 宿主非選択的毒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物における病原菌感染の各過程に関与する天然物を用いて、その機構解明と制御を試みた。植物宿主非選択的毒素をベースとして、植物免疫調節に寄与する分子の開発を行った。立体異性体を用いる独自の方法論を開発して標的タンパク質への親和性を変化させ、ドッキングシミュレーションを併用した論理的分子設計によって、その生物活性をチューニングすることに成功した。開発した分子は、GUS-レポーター実験より、植物体内でも標的選択制を示すことが確認された。その結果、2つのシグナル伝達経路の内ひとつのみを選択的に活性化することに成功し、副作用である生長抑制を伴うことなく、病原菌感染耐性を選択的に向上させる分子を開発した。また、遺伝子発現解析並びに各種変異体植物を用いた遺伝学的実験によって、この分子の作用機構解析を行った。立体生体を用いる生物活性のチューニングという方法論を確立することが出来た。植物の気孔に作用する植物毒素に関しては、各種光親和性プローブの合成と生物試験を行い、生物活性をもつプローブの開発に成功した。標的候補遺伝子として植物ホルモンシグナル伝達関連遺伝子を想定し、その機能破壊変異体を用いた光親和性標識化実験を行い、作用機構解析を試みたが、現在の所、変異体で消失するラベルかバンドは明確には確認できず、標的同定には至っていない。また、植物宿主選択的毒素に関しては、構造展開に必要なEDAユニットの酵素を用いる速度論的光学分割を用いる大量合成法を確立し、化学ライブラリーの構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物宿主非選択的毒素をベースとして、植物免疫調節に寄与する分子を開発した。また、植物宿主選択的毒素の構造展開に必要なEDAユニットの大量合成法を確立し、化学ライブラリーの構築を行った。これらは、植物宿主選択的毒素に関しては計画通り、植物宿主非選択的毒素に関しては計画を超えた展開である。
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Strategy for Future Research Activity |
植物宿主非選択的毒素に関しては、標的選択性を任意に制御できる新たな手法の開拓と、それに用いる分子ツールの開発を行う。 植物宿主選択的毒素に関しては、化学ライブラリーの活性評価と作用機構解析を進める。
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Research Products
(1 results)