2019 Fiscal Year Annual Research Report
海外の研究者との連携による中国・日本における禅思想の形成と受容に関する研究
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17H00904
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
伊吹 敦 東洋大学, 文学部, 教授 (20250029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
何 燕生 郡山女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (00292186)
齋藤 智寛 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10400201)
柳 幹康 花園大学, 文学部, 准教授 (10779284)
土屋 太祐 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20503866)
村松 哲文 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (30339725)
程 正 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (60433752)
舘 隆志 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (70771509)
原田 香織 東洋大学, 文学部, 教授 (90227017)
ダヴァン ディディエ 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (90783291)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 禅宗史 / 禅文献 / 禅思想 / 禅文化 / 国際交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは、中国禅を研究対象とする第Ⅰ部会と日本禅を研究対象とする第Ⅱ部会からなるが、令和元年度は、第Ⅰ部会は1回の定例研究会(12月7日)を、第Ⅱ部会は2回の定例研究会(6月15日・2月16日)を開催した(いずれも一般に公開)。定例研究会では、研究代表者の伊吹敦のほか、研究分担者の舘隆志氏らが研究発表を行った。また、これらの定例研究会のうち、12月7日、2月16日の定例研究会では、この機会を利用して国内外の研究者の招聘を行い、シンポジウムの形式で開催した。具体的には、12月7日の定例研究会では、研究代表者の外、ジョ(さんずいに除)州学院(中国)副教授の韓伝強氏、東洋大学大学院の院生で本研究プロジェクトでもRAも努める通然氏の二人をお招きし、「初期禅宗研討会」と題する国際シンポジウムを、また、2月16日の定例研究会では、研究代表者のほか、東洋大学学長の竹村牧男氏、関西大学名誉教授の井上克人氏、親鸞仏教センター嘱託研究員の飯島孝良氏をお招きして、「鈴木大拙の思想とその史的意義」と題するシンポジウムを開催した(いずれも東洋大学東洋学研究所と共催)。 これとは別に、本研究プロジェクトの研究代表者と研究分担者の程正氏のほか、国内外から7名の研究者をお招きした大規模な国際シンポジウム「初期禅宗史研究の現在」(5月25-26日、東洋大学東洋学研究所との共催)を開催した。 また、上記の定例研究会、国際シンポジウムでの発表内容を中心に、研究プロジェクト内外の研究者の投稿論文をも集録した本研究プロジェクト編集の学術雑誌、『国際禅研究』第3号・4号の2冊を刊行した(2019年7月、全240頁、2019年12月448頁)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は、大規模な国際シンポジウムを1回、小規模な国際シンポジウムを2回開催することができたので、少なくともこの点では、当初の計画通りの実績を挙げることができた。そのうち、5月に東洋大学を会場に東洋大学東洋学研究所と共催した国際シンポジウム「初期禅宗史研究の現在」では、アメリカから1名(コロンビア大学教授:ベルナール・フォール)、カナダから1名(カルガリー大学教授:ウェンディ・アダメック)、中国から1名(中山大学教授:キョウ(龍+共)雋)、台湾から2名(輔仁大学助理教授:林佩瑩、銘傳大学助理教授:黄青萍)、日本から2名(花園大学教授:中島志郎、仏典翻訳家:大竹晋)を招聘して発表をお願いした。本研究プロジェクトの構成員は、2名(伊吹敦、程正)が発表を行ったほか、司会等を努めることで中心的な役割を果たした。このシンポジウムは大変な反響を呼び、連日、百人近い聴衆があり、また、宗教関係の新聞にも取り上げられた。 また、『国際禅研究』の刊行も、当初の目標であった2冊の刊行を行い、しかも、第4号は450頁近い大冊となった。これは本研究プロジェクトの活発な活動を示すものであると考えている。 一方で問題点があったことも認めねばならない。一つは定例研究会の開催回数が、当初の目標に達しなかったということである。研究分担者の発表が一巡したこともあるが、国際シンポジウムに費用が嵩んだため、できるかぎり支出を抑えようとしたことも影響している。 以上、いくつかの問題点はあったものの、全体を振り返るとき、おおよそ当初の計画に沿った実績を挙げることができたと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の研究実績を踏まえ、今後の研究の推進方策として以下のものを考えている。 1.今年度までには行えなかった重要なテーマについて国際シンポジウムを開催する。具体的には、第Ⅰ部会に関しては、a.禅問答と語録・公案の成立と意義、b.明清時代における禅の意義、c.近現代における禅の意義、等であり、また、第Ⅱ部会に関しては、a.兼修禅の実態と評価、b.近世における禅宗の存在意義、c.禅文化の形成、等である。ただ、時間的・経費的・能力的限界があるし、今年度は新型コロナウィルスの影響が避けがたく、どこまで集会が開きうるか予断を許さない。シンポジウムについては、状況の変化を見守りつつ、年度の後半での開催を期したいと思っている。 2.本年度も国際シンポジウムを多数開催したため、その際の発表内容を元にした多くの論文が寄せられている。これらを順次公表するために、来年度は少なくとも『国際禅研究』を2冊刊行することにしたい。この作業はコロナウィルスの状況とは無関係に進められるので、特に年度の前半を中心に行う予定である。。 3.シンポジウム開催と『国際禅研究』刊行以外では、禅宗研究のために日本に留学中の外国人留学生が交流できる機会を設けることができないか検討してゆきたい。また、日本の今後の禅研究のために、禅研究の意義を広く社会に知らしめる書籍が刊行できないかについても検討を始めたい。
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Research Products
(46 results)
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[Book] 蘭渓録2020
Author(s)
彭丹・舘隆志
Total Pages
520
Publisher
禅文化研究所
ISBN
9784881823194
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