2020 Fiscal Year Annual Research Report
神仏融合から見た日本の宗教・思想とアジアの比較研究―分野横断による人文学の再生―
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17H00906
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
吉田 一彦 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (40230726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脊古 真哉 同朋大学, 仏教文化研究所, 客員所員 (20448707)
荒見 泰史 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (30383186)
藤原 崇人 龍谷大学, 文学部, 准教授 (50351250)
上島 享 京都大学, 文学研究科, 教授 (60285244)
二階堂 善弘 関西大学, 文学部, 教授 (70292258)
曽根 正人 就実大学, 人文科学部, 教授 (70368695)
伊藤 聡 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (90344829)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 東洋・日本思想史 / 神仏習合 / 神仏融合 / 宗教史 / 仏教史 / 神祇祭祀 / 文化交流 / 道教 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウィルス感染症が流行・蔓延した。本研究は、そうした事態に対応して、打ち合わせ会を対面形式ではなく、電話などで個別に実施し、研究計画を見直した。国内・国外の調査、国際研究集会は延期または中止、研究会も対面は延期・中止とし、オンラインによる研究会を実施するにとどめた。 ただし、研究チーム全体の調査ではないが、感染症流行の谷間に、少人数による国内調査を行ない、富山県の立山地区の実地調査、滋賀県の塩津港遺跡の史料調査を実施することができた。 不実施となった調査、研究集会の代わりに本年度重視したのが、デスク・ワークの重点化であり、特に研究成果発信のための原稿執筆と研究書の編集に力を入れた。その成果として、研究代表者、研究分担者、研究協力者をはじめ共同研究チーム16人が全体で執筆した研究書、吉田一彦編『神仏融合の東アジア史』(名古屋大学出版会、2021年2月、全726頁)を刊行することができた。あわせて、研究代表者、および研究分担者の上島享、伊藤聡が企画編集委員になった研究書、『シリーズ日本宗教史』(全6冊、吉川弘文館、2020年~2021年、各巻300頁前後)を刊行することができた。これにより、日本の神仏融合史に新しい視座を提示するとともに、日本と他の国・地域との比較宗教史研究の進展にも新しい視座を提示することができた。また、日本の宗教史をこれまでとは異なる観点、水準から、通時代的かつ分野横断的に考察していく姿を示した。 研究会(神仏融合研究会)は、9月2日にZoomで開催し、『神仏融合の東アジア史』掲載予定原稿をめぐって、吉田一彦、関山麻衣子、上島享、伊藤聡が研究発表し、他の執筆者も含めて多くの意見交換を行なうことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、世界で、そして日本で新型コロナウィルス感染症が、流行・蔓延し、大変な年となった。日本では、緊急事態宣言が何度も発出され、学校の臨時の休校措置やオンライン授業の開始がなされ、多くの研究機関で国内・国外の出張を見合わせる措置がとられた。私たちの研究は、そうした事態に対応するため、打ち合わせ会を対面形式ではなく、電話などで個別に複数回実施し、研究計画を見直した。国内・国外の調査、国際研究集会は延期または中止、研究会も対面は延期・中止とし、オンラインによる研究会を実施するにとどめた。それゆえ、国内外調査、国際研究集会、討論という点で研究は遅延したと言わざるをえない。 だが、他方、先にも述べたように、皆が集まらずとも実施可能な、研究成果の取りまとめ、発信に力を入れた。これにより、『神仏融合の東アジア史』(名古屋大学出版会、2021年2月)、『シリーズ日本宗教史』(全6冊、吉川弘文館、2020年~2021年)を刊行、発信することができた。 国内外調査、研究集会の不実施というマイナスの側面があるが、研究成果の発信という点でプラスの側面があり、かれこれ勘案して、総合的には研究はおおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究チームによる打ち合わせにより、国内外調査、研究会、国際研究集会を次年度以降に延期とした。次年度以降の感染症流行の状況をなお見据えなければならないが、場合によっては、本研究の研究期間を一年間延長することも視野に入れて、次年度以降の研究を進めていくことを確認した。 なお、研究成果を順調に発信することができたが、ただ刊行にあわせて公開シンポジウムなどができなかったのははなはだ残念であった。次年度には、仮に対面が無理で、オンラインになったとしても、評者を複数たてて『神仏融合の東アジア史』の書評会を実施することを確認した。
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Research Products
(32 results)