2017 Fiscal Year Annual Research Report
Constructing the nation-wide database of ancient Japanese pottery with ink inscriptions
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17H00927
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
吉村 武彦 明治大学, 文学部, 名誉教授 (50011367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 友康 明治大学, 大学院, 特任教授 (00114439)
中村 友一 明治大学, 文学部, 専任講師 (00553356)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 墨書土器 / 日本史 / 歴史考古学 / 日本古代史 / 出土文字史料 / データベース / 刻書土器 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の基礎となる墨書土器に関する研究文献は、大学図書館・大学博物館図書室や全国各地の埋蔵文化財センター等の研究文献・報告書等を調査して作成している。現在2170点になっている。研究文献リスト(墨書土器研究文献目録)は引き続き、明治大学の日本古代学研究所ホームページで更新していきたい。研究の基礎となり、また全国の墨書土器調査・研究者のデータとして共有したいので、最新情報を継続して発信していきたい。 墨書土器データベースは、画像付きの詳細なデータベースは、京都府(長岡京以外)が1935件、京都府が2156件、兵庫県が2094件、和歌山県が39件、大分県(補遺)が14件、完成している。早期に公開するように努めたい。このほかテキストデータとしては青森県が約3400件、宮城県が約6400件で、点数が多く画像処理に時間がかかっている。データベース構築の入力にはかなりの時間を要するが、その基礎作業として文献の悉皆調査が必要となっている。福島県と福井県の文献調査は学内所蔵文献が少なく、現地で多く収集しなければならず、文献収集がほぼ終了した。 以上の結果、平城宮・京と長岡京のの宮都の墨書土器、そして西日本と東日本の全国的な比較研究が可能となっている。ホームページにおいて公開している墨書土器に関する「横断検索データベース」は、各地の現場調査者が利用し、各地の埋蔵文化財センター等でも、本データベースが墨書土器の釈読にあたって活用されている。こうしたデータベースの利用状況からみても、研究成果が重要な役割を果たしていることがわかる。 地域研究としては。主に千葉県市川市を対象に、市川市史編纂と連携している。そのほか千葉県・福島県・宮城県の地域研究者を招聘して共同研究し、データベース構築に向けて打合せを行った。また、宮崎・愛媛・福島県で墨書土器等の現地調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
墨書土器およびその研究の文献調査は、『文化財発掘出土情報』・『史学雑誌』文献目録、考古学関係の学術雑誌、ウェッブを通した全国の教育委員会の報告書等から行っている。また、各地からの寄贈が多い明治大学博物館図書室などで情報を得て、研究文献目録を作成している。これは随時公開して、研究者と研究状況を共有できるように努めている。社会的発信の中心となる、ホームページにおける墨書土器の「横断検索データベース」の更新も、少し遅れ気味であるが順調に推移している。 墨書土器のデータベース構築は、奈良文化財研究所の墨書土器に関係する報告書抄録目録を利用していた時期もあったが、目録は必ずしも十分ではなかった。そのため発掘報告書等の図書に対して、都府県別に悉皆調査を実施しなければならなくなった。学内だけの作業では不十分であり、各地への出張を実施している。しかし、当初の申請予算が縮小されたので、四国・東北地域のデータベース構築が遅れていたが、昨年度は各地の研究者の協力を得て、墨書土器関連文献の収集作業は進んできた。今後も計画どおりやっていきたいが、現地の図書館や埋蔵文化財センターの図書室の文献複写については、複写機の台数の不足や時間的制約があり、困難を伴うこともある。現地研究者と綿密に打ち合わせて、円滑に行えるようにしていきたい。 なお、ホームページで公開している墨書土器データベースや墨書土器の「横断検索データベース」の存在はかなり知られるようになり、現地の研究者がデータベースを利用して、釈読の際に利用される例がかなり増加している。こうした墨書土器データベースの利用状況からみても、本研究が順調に進行して、現実に活用されてきていることがわかる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画どおりに進行させることが、重要である。墨書土器データベース構築の基礎的作業を、ねばり強く積み重ねていくしかない。東日本大震災の影響で遅れた、東北地方のデータベース構築も現地研究者と協議して、文献収集ができるようになり、また研究会を持つことができたのが、昨年の成果の一つである。 このように本研究の遂行には、各地の地元研究者と連携し、現地の埋蔵文化財センター等で報告書等を複写する作業が必要である。直接、現地に出かけて墨書土器を熟覧するとともに、研究打ち合わせを行い、データベース構築作業を進めていく必要がある。連携研究者と相談して墨書土器情報・図書の集成担当者を決め、地域別の作成計画・作業を具体化していく。また、代表者が墨書土器文献目録を作成し、墨書土器研究の研究動向を掌握するようにさらに努力する。 研究計画としては、①北陸・四国・九州地区等のデータベース未完成県と補充が必要な墨書土器データの集成と研究。②既存のデータの補訂作業。③墨書土器情報のデータ入力と公開、さらに検索システムへのアップロード。④墨書土器データベースを利用した研究会の開催、という3段階となる。初年度の2017年度は、①・②の墨書土器資料の集成と補訂作業を重視し、③の研究を進めてきた。また、日本だけではなく、点数は少ないが中国・韓国など東アジアの墨書土器研究を意識した研究を留意したい。 今後も、研究総括者の吉村武彦と研究分担者の加藤友康・中村友一が日常的研究と運営に責任をもち、連携研究者の川尻秋生・市大樹・柴田博子・荒木志伸と特別研究協力者の山路直充氏らと協力して進めていたい。年度ごとに、データベース作成の重点地区を決め、現地の協力研究者とともに実際の作業を促進させたい。このような体制で、日本全国の墨書土器データベース構築に努力したい。
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Remarks |
研究所の正式名称は、明治大学国際日本古代学研究クラスター「日本古代学研究所。そのなかに墨書土器データベースの発信場所がある。http://www.kisc.meiji.ac.jp/~meikodai/obj_bokusho.html
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Research Products
(31 results)