2019 Fiscal Year Annual Research Report
Historical studies on the identity of people crossing seas and the Region States
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17H00931
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
上田 信 立教大学, 文学部, 教授 (90151802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 伸司 追手門学院大学, 国際教養学部, 名誉教授 (20109242)
中里 成章 東京大学, 東洋文化研究所, 名誉教授 (30114581)
弘末 雅士 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (40208872)
山口 元樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (60732922)
渡辺 佳成 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80210962)
疇谷 憲洋 大分県立芸術文化短期大学, 国際総合学科, 教授 (80310944)
鈴木 英明 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 准教授 (80626317)
赤嶺 淳 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (90336701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 渡海者 / アジア / ヨーロッパ / アルメニア人 / 新キリスト教徒 / イエズス会文書 / インドネシア人留学生 / 朝鮮通信使 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヨーロッパからアジアに赴いた渡海者に関する資料収集を目的として、研究代表・分担者が関心を持っているそれぞれの地域に赴いた。上田は6-8月にBritish LibraryおよびNational Library of Scotlandで、アヘン商人William Jardineに関する資料調査を実施した。重松は19~20世紀初めに南アジア以東のアジア海域で活躍したアルメニア海商について、ペナンを中心とした交易港市の実地調査を行った。また、インド(コルカタ)、東南アジア(ペナンおよびシンガポール)に散在するアルメニア海商関係の史料を収集した。疇谷はポルトガルにおける実地調査を2-3月に行い、新キリスト教徒やユダヤ教徒ととのコヴィリャン、ベルモンテ、ブラガンサ等北部内陸地域や、ポルトに滞在し、新キリスト教徒(改宗ユダヤ人)/ユダヤ教徒関連の史跡・博物館、シナゴーグ等を訪問した。山口は2-3月に、インドネシア国立図書館で、オランダ植民地期のカイロのインドネシア人留学生の活動に関する新聞・雑誌の記事を収集した。研究協力者の宮田はリスボンのアジューダ古文書館でモンスーン文書を中心に調査を行うととともに、イエズス会文書(Armario Jesuitico)を閲覧し、16世紀を中心に日本各地での布教活動報告を閲覧した。 9月には科研の合同調査(中里・鈴木・上田)をインドで行い、渡海者と深く関係するコルカタ・コーチ・ゴア・ムンバイで史跡の調査を実施するとともに、文献を収集した。国内では12月に岡山大学で研究会を実施、研究の進捗状況を確認するとともに、朝鮮通信使などの渡海者が滞在した牛窓で史跡を調査した。 本科研主催シンポジウム「アジアの海を渡る人々―18・19世紀」(2月1-2日)において、重松・弘末・渡邊・鈴木および上田が、それぞれの研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
12月までは研究はきわめて順調に進めることができた。12月に発生した新型コロナ感染症の流行のため、年を越えた1月以降、海外調査が困難となった。計画では中里が2-3月にロンドンで資料調査を行うことになっていたが、断念せざるを得なくなった。3月に前年度に予備調査を行ったメキシコ・クエルナバカ教会の長崎二十六聖人関連壁画について、本格的な調査を行い、修復に向けたプロジェクトの段取りを立てる予定にしていたが、メキシコでの感染状況の深刻化のために、中止した。海外調査で収集する予定の情報の不足を補うために、おもに欧文の研究文献の収集を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスのために実施できなかったロンドンでの中里による資料収集を次年度に行うために、繰越を行った。過去3年間の調査の成果を整理し、研究代表・分担者がそれぞれ論考を執筆し、公表する。2018年度に開催したシンポジウム「アジアの海を渡る人々―16・17世紀」の報告を軸に、その成果を広く世に問うために書籍として出版することをめざす。
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Research Products
(11 results)