2018 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス公法争訟における違法性の判断構造に関する研究
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17H00956
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
榊原 秀訓 南山大学, 法務研究科, 教授 (00196065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友岡 史仁 日本大学, 法学部, 教授 (00366535)
長内 祐樹 金沢大学, 法学系, 准教授 (00579617)
大田 直史 龍谷大学, 政策学部, 教授 (20223836)
深澤 龍一郎 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (50362546)
上田 健介 近畿大学, 法務研究科, 教授 (60341046)
洞澤 秀雄 南山大学, 法学部, 教授 (60382462)
和泉田 保一 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (60451655)
伊藤 治彦 岡山商科大学, 法学部, 教授 (80176354)
庄村 勇人 名城大学, 法務研究科, 教授 (80387589)
萩原 聡央 名古屋経済大学, 法学部, 教授 (80410835)
林 晃大 近畿大学, 法学部, 准教授 (80548800)
田中 孝和 福岡大学, 法学部, 准教授 (90441328)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公法学 / 行政法学 / 行政救済 / 行政的正義 / 違法性 / 司法審査 / 行政手続 / 市民参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度最も力を入れたのは、『現代イギリスの司法と行政的正義-普遍性と独自性の交錯』の原稿を完成させ、大きく三部構成の書物として来年度出版できるようにすることであり、現実に出版できる状況になった。この本は、2018年3月に開催したセミナーにおけるシェフィールド大学のジー(Gee)教授とマンチェスター大学のトーマス(Thomas)教授の報告の翻訳を含む、研究代表者と研究分担者が執筆した論文を掲載するものである。また、上記のセミナーにおける別の報告である、ジー教授の「裁判官任命過程の考察」とトーマス教授の「審判所と移民に係る司法審査」の翻訳は、既に南山法学に掲載した。 次に、独自に研究会を行うとともに、外部からゲストを呼んで2回研究会を行った。2月には新潟大学栗田佳泰准教授にカナダにおける憲法と裁量との関係に関する議論の報告を依頼し、イギリスやわが国における議論との比較研究を行った。3月には同志社大学佐伯彰洋教授と名城大学北見宏介准教授にアメリカのadministrative judgeを中心にした最近の動向についての報告を依頼し、龍谷大学本多滝夫教授と研究分担者の伊藤治彦教授によるコメントの後、参加者全員でイギリスの審判所制度やわが国の行政不服審査法における審理員・行政不服審査会との関係で議論を行った。 そして、4名の研究分担者が海外調査に行った。2名は海外の学会出席で、1名はメルボルン大学で開催されたPublic Law Conferenceに、もう1名はケント大学で開催されたUK Environment Law Associationに出席した。また、他の2名はイギリスにおいてインタビュー等を行った。1名が北アイルランドベルファストのクイーンズ大学でアンソニー(Anthony)教授に行政訴訟についてインタビューし、もう1名は計画審査庁の担当者にインタビューをした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本出版に向けた原稿が完成し、また、カナダやアメリカと比較して、イギリスやわが国の制度の評価も行い、さらに、研究分担者4名が海外調査に行くことができ、ほぼ当初に計画した通りの研究を行うことができ、今後の研究につながると考えられることから、おおむね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の第一の目標は、研究成果公開促進費(学術図書)の支給を受けることができた『現代イギリスの司法と行政的正義-普遍性と独自性の交錯』(日本評論社)を出版することである。また、来年度も研究分担者4名が海外での調査を行う予定である。研究分担者2名が、昨年秋から学術的な交流があるサンキン(Sunkin)教授がいるエセックス大学において研究を行っており、その協力も得ながら、イギリスの研究者などを対象にして調査を進める。来年度実施することを想定するものではないが、イギリスの裁判官(経験者)などに対する今後のインタビューの可能性も、サンキン教授の助言を受けながら模索していく。
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Research Products
(20 results)