2021 Fiscal Year Annual Research Report
Japanese Elite's Idea of Equality and Change of Policy Network in the Global Age
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17H00966
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹中 佳彦 筑波大学, 人文社会系, 教授 (80236489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 英弘 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20431661)
遠藤 晶久 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授 (80597815)
濱本 真輔 大阪大学, 法学研究科, 准教授 (20625850)
久保 慶明 琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (00619687)
柳 至 立命館大学, 法学部, 准教授 (20647341)
大倉 沙江 筑波大学, 人文社会系, 助教 (40779534)
Jou Willy 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (20617055)
近藤 康史 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00323238)
鈴木 創 筑波大学, 人文社会系, 講師 (40362561)
今井 亮佑 崇城大学, 総合教育センター, 教授 (80345248)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エリート / 平等観 / 政策ネットワーク / 政策選好 / 影響力構造 / イデオロギー / 格差 / 不平等 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、今日の日本の政治・経済・社会各層のエリートの平等観がどのようなものであり、40年間でどのように変化したのか、また政策決定の影響力構造がどのように変容したかを明らかにすることを目的としている。 本年度は、各自がそれぞれ分析を進め、学術論文や学会報告などとして発表したほか、研究グループの報告書として、竹中佳彦・山本英弘・濱本真輔編『現代日本のエリートの平等観――社会的格差と政治権力』(明石書店、2021年12月)を公刊した。 主な知見は、1)イデオロギーは平等価値や平等認知を規定するが、1980年と比べて規定力が弱まっている。2)経済面で多くのエリート・グループが、1980年に比べて経済的不平等が拡大していると認識し、社会福祉への支持を増大させる一方、雇用保障に対する支持を低下させている。保守的なエリートほど、再分配に肯定的ではない。3)保守系政治家は不平等の認知が有権者よりも弱い。不平等認知が強まるほど、格差是正を支持する傾向があるものの、政治家は、他のエリートと異なり、収入面の不平等認知が強まっても、格差是正策への態度はほとんど変化しない。4)保守的エリートが主として女性の労働において平等化を支持するようになったものの、経済的要請によるものである。5)多くのエリート・グループが地域間格差を認知しているが、政治的結果の格差認知に中央と地方との間の対立が見られる。6)有権者のなかで、強制力の強い平等化政策への支持が広がりを欠いている。7)権力構造では、集権化が進む一方、政党や行政と団体との関係が流動化し、利益表出回路が狭まっている。 全体として、現代日本では、保守層とリベラル層における平等観と政策志向の対立が継続する一方、社会に存在する価値が十分に政治的エリートに反映されていない可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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