2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Malthus-Ricardo debate and the development of classical political economy
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17H00982
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
出雲 雅志 神奈川大学, 経済学部, 教授 (10211731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 進治 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (00322925)
益永 淳 中央大学, 経済学部, 准教授 (00384727)
石井 穣 関東学院大学, 経済学部, 教授 (10587629)
久保 真 関西学院大学, 経済学部, 教授 (30276399)
藤本 正富 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (30330103)
野原 慎司 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 准教授 (30725685)
内藤 敦之 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (40461868)
田淵 太一 同志社大学, 商学部, 教授 (50242136)
近藤 真司 大阪府立大学, 経済学研究科, 教授 (50264817)
佐藤 有史 立教大学, 経済学部, 教授 (60288256)
久松 太郎 同志社大学, 商学部, 准教授 (60550986)
松本 哲人 徳島文理大学短期大学部, その他部局等, 講師 (70735828)
小沢 佳史 九州産業大学, 経済学部, 講師 (80772095)
森下 宏美 北海学園大学, 経済学部, 教授 (90191022)
八木 尚志 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (90261825)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マルサス / リカードウ / 古典派経済学 / 貧困と救貧 / 人口論 / 経済学と文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
①本研究の遂行に必要な文献や資料を収集するとともに、欧米をはじめアジアおよびラテンアメリカの研究者との共同研究のネットワークづくりに取り組んだ。 ②トマス・ロバート・マルサスの『人口論』および『経済学原理』の世界の各言語圏(英語圏・イタリア語圏・スペイン語圏・ポルトガル語圏とロシアおよび日本)への伝播と受容(拒絶)の特徴と異同を比較検討し明らかにする国際会議 Sapporo Conference 2018 on Malthus を9月4日(午後)・5日(全日)に北海学園大学で開催した。イタリア、スペイン、ポルトガル、ブラジル、オーストラリア、アメリカ、ロシアの海外研究者をまじえ、欧米では、一般に、マルサスはその人口論と経済理論の両方がほぼ同時代に受容されていたのに対して、日本では、それから50年ほど遅れて1868年の明治維新以降に西欧経済学が一斉に導入される過程で受容されたこと、また、しばらくのあいだ人口論のみに注目が集まり、移民論や膨張主義などそのときどきの社会問題に関連づけられながら論じられた点に特徴があること、が明らかにされた。さらに、マルサスの人口論は、イギリスではディケンズ、フランスではゾラ、日本では柴四朗や坪内逍遙など、各国の代表的な文学にも登場し、多様な経路をとおして社会に浸透していたことが示された。こうした多面的で国際的な各言語圏へのマルサス受容史の研究は、初めての試みである。ただし、その対象範囲は多様で広範囲にわたるため、今後さらに研究をすすめることの重要性があわせて指摘された。 ③この国際会議の研究成果は、英文論集にまとめて次年度中に出版することを決め、具体的な作業をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①2017年度に開催した国際会議の研究成果のうち、James MillとJohn Stuart Millの再検討をめざす英文論集 Reconsidering James Mill and John Stuart Mill(仮題)を出版する準備をすすめ、その構成の検討と執筆者の選定を行った。 ②2018年度に開催した国際会議 Sapporo Conference 2018 on Malthus の研究成果と2017年度から2018年度への繰越分で2018年に開催した国際会議の一部セッションの研究成果については、出版社と契約を結び、それを英文論集 The Reception of Thomas Robert Malthus in Europe, America and Japan(仮題)として2019年度中に出版する具体的な準備をすすめた。 ③以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
①James MillとJohn Stuart Millの再検討をめざす英文論集 Reconsidering James Mill and John Stuart Mill(仮題)と、経済学の枠をこえて世界に巨大な影響を与えたThomas Robert Malthus が各言語圏でどのように受容されたかを明らかにする英文論集 The Reception of Thomas Robert Malthus in Europe, America and Japan(仮題)の出版に向け、さらに準備をすすめるとともに、これらの英文論集をいっそう充実したものにするため、次年度に関連する国際会議を開催する。 ②2020年3月に日本で初めて開催される国際アダム・スミス学会主催の International Adam Smith Conference に協力するとともに、これにあわせてスミス研究に取り組み、その成果を英語および日本語の論集にまとめて出版する準備をすすめる。
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Research Products
(30 results)