2017 Fiscal Year Annual Research Report
データサイエンスのアプローチによる金融リスク管理とその波及メカニズムに関する研究
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17H00983
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
羽森 茂之 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (60189628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有木 康雄 神戸大学, 都市安全研究センター, 名誉教授 (10135519)
金京 拓司 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (50527637)
滝口 哲也 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (40397815)
辻 隆司 愛知大学, 経済学部, 教授 (00626905)
田中 克幸 神戸大学, 工学部, 研究員 (80448167)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リスク管理 / データサイエンス / 機械学習 / ウエーブレット / コピュラ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究面に関して、主要な研究内容は以下の通りである。 (a)国際的なCDS市場に注目し、CDS市場と国際金融危機との関係、CDS市場間の相互依存関係、及び、CDS市場と他の金融市場との依存関係等に関する分析を行った。(b)データに欠損値が存在する場合に、相互依存関係について分析するために有効な新たな推定方法についての提案を行った。(c)原油価格が中国の株式市場に対して持つ影響について、短期的な効果と中長期的な効果の相違に関する分析を行った。(d)原油価格と為替相場の間の動学的な相関係数を分析し、経済の基本的な諸要因がそれらに対して与える影響について分析を行った。(e)ドイツとCEEC3か国の国際収益率に関する相互依存関係について分析を行い、世界金融危機がシステミック・リスクの変動について与える影響に関する分析を行った。(f)日本企業を対象に機械学習の手法を用いて倒産可能性リスクに関する分析を行い、個々の企業別、地域別、産業別にハザードマップを作成した。(g)6つの国際商品価格指数を対象に、ボラティリティの変動について、各指数間の長期的関係と因果関係について分析を行った。(h)世界の198の国及び地域の金融機関を対象に、機械学習の手法を用いて信用リスク評価に関する分析を行った。 海外の研究者とのネットワーク構築を積極的に推進した結果、研究代表者が新たに4つの国際学術専門誌の編集委員に就任した(International Review of Financial AnalysisのAssociate Editor, Journal of Risk and Financial ManagementのAdvisory Board, Annals of Financial EconomicsのEditorial Board, Journal of Management Information and Decision SciencesのInternational Advisory Board)。さらに、研究代表者がJournal of Risk and Financial ManagementのSpecial Issue, "Empirical Finance"のGuest Editorに就任し、編集を行うこととなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究面に関しては、英文研究書の出版、国際学術雑専門誌への論文の出版及び投稿、国際カンファレンスでの研究報告等、順調に進んでいる。 海外の研究者とのネットワークの構築に関しては、当初の予想以上に進んでおり、世界的に一定の評価を得ることのできるプロジェクトとなりつつある。さらに、金融実務家との連携も順調に進み、一定の成果が出始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.本研究プロジェクトを遂行するために、様々な角度から、データを集積する。特に、既存研究のサーベイを通じて、新たな研究の可能性について調査・研究を行う。 2.研究代表者・研究分担者の間で、定期的にメンバーの会合を兼ねた研究会を開催し、各グループの研究の進捗状況をメンバー間で共有する。 3.本研究の関連分野で活躍している内外の研究者を招聘し、ワークショップを開催し、最新の研究動向の把握を行うとともに共同研究拡大の契機とする。また、プロジェクトの性格上、金融関係の実務家からも積極的な協力関係を得られるようにしたい。 4.本プロジェクトを通じて得られた研究成果を国内外のカンファレンス等で積極的に研究報告を行う。また、そこで得られたコメントを基に論文の修正を行い、その学術成果を海外の学術専門誌に投稿する。
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Research Products
(19 results)