2018 Fiscal Year Annual Research Report
Quantum state measurements of single photon sources in silicon carbide devices
Project/Area Number |
17H01056
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
大島 武 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 上席研究員(定常) (50354949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多野 睦子 東京工業大学, 工学院, 教授 (00417007)
藤ノ木 享英 (梅田享英) 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (10361354)
土方 泰斗 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (70322021)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 結晶工学 / 格子欠陥 / 半導体物性 / 光物性 / 放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
炭化ケイ素(SiC)中の単一光子源(SPS)としてシリコン空孔(Vsi)及び表面SPSなどに引き続き着目し、これらSPSをpinダイオードや金属-酸化膜-半導体(MOS)電界効果トランジスタ(FET)などのデバイスに導入する技術を開発するとともに、それらSPSの発光特性に関する研究を推進した。 2018年度は、昨年度に引き続き陽子線描画(PBW)技術を活用しpinダイオード中にVsiを導入した。PBWにより一つのスポットへの照射量とVsiからのフォトルミネッセンス(PL)発光強度、エレクトロルミネッセンス(EL)発光強度、電流-電圧特性やそこから導出される抵抗値の関係を詳細に調べることで、デバイス特性の劣化を抑制した状態でVsiからの発光強度を最大にできる最適な陽子線照射量として一つのスポットあたり1x10^6 個であることを決定した。VsiのODMRに関しては、装置の整備・改良を含めて高感度化へ向けた研究を進め、低ノイズでの測定に成功することで、mT領域での磁場依存性の取得に成功した。 表面SPSに関しては、酸化膜形成方法や温度と表面SPSの発生量や発光の安定性を調べた。その結果、プラズマ化学気相成長(CVD)法により350Cの成長温度で酸化膜成長した場合でも表面SPSは形成されるが、発光は不安定であることが見出された。また、酸化膜厚(熱酸化で形成)の影響に関しては、酸化膜厚が厚くなるに従い、発光のピークの平均値は変化しないが、発光ピークが短波長側に広がっていくこと、酸化膜厚が10nm以上になると表面SPSの数は徐々に減少することが見出された。加えて、酸化膜付きSiCへガンマ線照射を行うことで、表面SPSの形成との関係を調べたところ、ガンマ線照射によって表面SPSの数が増加するが、10kGy以上では増加は飽和傾向にあることが見いだされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Vsiの光検出磁気共鳴(ODMR)に成功するなど、計画通りスピン操作等の研究を推進できている。表面SPSにおいてもデバイス動作での発光制御や、酸化膜形成条件を選択することで発生を制御できることを見出している。以上より、研究は順調に研究が進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りVsiや表面SPSをSiCデバイス内部に導入すること、Vsiの光検出磁気共鳴(ODMR)に成功している。今後は、量子デバイス応用で重要となるデバイス動作による量子制御を目指し、Vsiにおいてはデバイス動作によるODMRや電気検出磁気共鳴(EDMR)の可能性を検討する。加えて、量子センシングとして、磁場に加えてODMRによる温度計測を試みる。表面SPSに関しては、引き続き構造同定を目指し、PLスペクトルの詳細解析、アンチバンチング特性の励起光依存性などの詳細な特性評価を行っていく予定である。
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Research Products
(36 results)