2020 Fiscal Year Annual Research Report
高放射率な光メタ表面を核心要素とする超高感度・高安定分子検出システムの開発
Project/Area Number |
17H01066
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
岩長 祐伸 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (20361066)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メタ表面 / 蛍光バイオセンサー / 抗原検出 / 抗体検出 / 核酸検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに研究開発を進めてきたメタ表面センサー(メタ表面基板とマイクロ流路チップを貼り合わせたセンサー)を活用して、癌マーカー分子の現実的な検出条件下での高感度蛍光検出、新型コロナウイルス遺伝子の直接検出を行った。具体的には、(1) 最も検査に使用されている癌マーカー CEA のサンドウィッチ検出などを行った。現実の検査における検出ターゲット CEA(抗原)にはラベルは標識されていないことから、まず抗 CEA 抗体を2個で CEA をサンドウィッチ状に挟んで捕捉し、続いて抗体のうち1つをメタ表面上にあらかじめ固定しておいた捕捉分子で捕捉、固定する。これにより、ターゲット CEA をメタ表面上に捕捉することができる。抗体のうちの 50% を捕捉分子と特異的に(選択的)結合する標識を付けておくことにより、サンドウィッチ複合体を特異的にメタ表面に固定することができる。続けて、2次抗体である蛍光標識付きの IgG 抗体をメタ表面センサーに流し、サンドウィッチ複合体のフリーな抗 CEA 抗体と結合させる。抗体同士の宿主型を合致させることで選択的な結合を実現した。このフロー工程を経て、標的濃度 0.1 から 10 ng/mL の範囲で蛍光検出に成功した。CEA の医療診断基準は 5 ng/mL であることから、実用的に十分高い感度でバイオセンサーとして機能することを実証した [ACS Nano (2020)]。(2) 新型コロナウイルスの世界的な流行により、その高感度な核酸検出は重要な課題であり、メタ表面センサーを応用した。その結果、核酸増幅を援用しない直接検出法によって検出限界 110 amol/mL の高感度検出が可能であることを見出した。現在、抗原検出キットが市販されているが、それを核酸で直接検出できる方法と位置付けることができる [Biosensors (2021)]。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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