2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of the third generation plasma gene introduction method by suppressing autophagy and by enhancing synergistic effect
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17H01068
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
神野 雅文 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (30274335)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プラズマ遺伝子導入 / オートファジー / シナジー効果 / 複合効果 / エンドサイトーシス / 高効率 / 低侵襲 / 非侵襲 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)「網羅的探究による導入条件の解析」として、まず電源の駆動周波数を2MHzまで拡張した。その結果、電極形状の最適化が必要となったが、従来主として用いていた20kHzと同等の導入結果が得られた。その際、塩分濃度やプラスミド濃度などの諸条件についても20kHzと2NHzで差が見られなかった。このことから、10MHz程度までであれば、10kHz程度の場合と導入機序および最適パラメータおよび、作用要因には差がないものと判断し、今後は従来と同じ20kHzを主として使用し、解析を実施するのが適切であるという結論を得た。
(2)「機序要因の定量化と機序要因が細胞に及ぼす効果の検討」については、リポソームを用いた解析でプラズマ照射によりリポソームが正に帯電することを確認した。さらに2種類の作用の異なるオートファジー阻害剤の効果を確認した。その結果、阻害剤の1つは細胞生存率は半減するものの、遺伝子の導入率は4倍程度に改善された。また、プラズマ照射時間を短縮しても、生存率が30~40%低下しつつも、導入率が3倍以上となることが確認された。他方、もう一つの阻害剤では、細胞生存率を10%~20%の低下にとどめつつ、導入率を1.5倍程度に改善出来なおかつ、プラズマ照射時間を短縮できるという結果を得た。
(3) これらの結果から、遺伝子導入率の改善にはオートファジー阻害が有効でり、プラズマ照射時間も短縮できること、およびプラズマ遺伝子導入の細胞内プロセスの解明にオートファジー阻害が有効であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「網羅的探究による導入条件の解析」については実験結果から、10MHz程度までであれば、10kHz程度の場合と導入機序および最適パラメータおよび、作用要因には差がないものと判断でき、「機序要因の定量化と機序要因が細胞に及ぼす効果の検討」については、オートファジー阻害剤の効果を確認できており、初年度の計画をほぼ達成していることから、「おおねね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は概ね計画通り順調に進めることが出来たので、次年度以降も当初計画通り研究を進める予定である。特に、オートファジーの阻害が導入プラスミドの発現に有効であることから、オートファジーの制御の有効活用をさらに詳細に検討する方向で研究を進めたい。
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