2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of next-generation full-field X-ray microscope based on X-ray mirrors
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17H01073
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松山 智至 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10423196)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | X線 / X線ミラー / X線結像 / X線顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,目的達成のために要素技術の開発を進めた. ①アライメント手法の検討:結像ミラー光学系では,ミラーアライメントによって収差が発生する.これを除去するために,X線波面計測法による収差の把握とそれに合わせたアライメント調整の手法を開発した.アライメント装置の改良などを実施し,調整手順を改良した.さらに,昨年度実施した接着についてもさらなる検討を進めた.硬化収縮による影響はほとんど観察されず,アライメント後のミラー配置の固定を正確に行うことができた. ②多層膜の検討:様々な多層膜を作製し,その性能を評価した.マグネトロンスパッタリング法による多層膜の作製とX線反射率法による多層膜の評価を実施した. ③新しい光学系の提案:結像ミラー光学系はそのアライメントが難しいという問題があるが,これを解決することができる新規光学系を提案した.本光学系はユーザーがほとんどアライメント調整することなく結像実験ができるように工夫されている.シミュレーションによる性能予測などを実施した. ④X線波面計測法の研究:X線波面をシステムエラーなく計測できれば様々な展開が開ける.格子干渉計とタイコグラフィで実際に波面を調べ比較することで精度の検証を行った.検証の結果は両者はほとんど同一の波面であった.ただし,格子干渉計にはカメラ由来のシステムエラーが発生しており,これを取り除く必要があった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り研究を実施することができた.また,新しい光学系を提案することもでき,当初の計画より適用範囲の広いシステムの開発を行うことができると期待している.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,①グレイディッド多層膜作製技術の高度化,②X線顕微鏡実験,③波面計測法の研究 を実施する. ①では,高い反射率と波面収差のない高精度な多層膜鏡の開発を目指す.そのために,最適な多層膜材料の模索や成膜技術の確立を進める. ②では,X線顕微鏡の実験を実際に行い,アライメント手法や装置改良のフィードバックを得る.また,分解能・視野特性・長時間の安定性について評価するとともに,実用的な試料を実際に観察することで顕微鏡の実用性を評価する. ③では,波面計測技術の向上を目指し,様々な方向からX線波面計測法を研究する.
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Research Products
(18 results)