2020 Fiscal Year Annual Research Report
New developments of fundamental and applied researches on positronium neutral atoms and positronium negative ions
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17H01074
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長嶋 泰之 東京理科大学, 理学部第二部物理学科, 教授 (60198322)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ポジトロニウム / ポジトロニウム負イオン / 運動誘起共鳴 / 束縛エネルギー / 量子干渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
陽電子1個と電子2個の束縛状態であるポジトロニウム負イオンを生成・加速後に、光脱離によって単色ポジトロニウムビームを生成する装置を用いた研究を引き続き行った。まず、2019年度までに行ってきた、(a)ポジトロニウムの運動有機共鳴の観測、(b)ポジトロニウム負イオン光脱離閾値付近における脱離断面積の測定の総まとめとして、論文を完成させ、いずれもPhysical Review Letters誌に発表した。これらの論文は初めての試みとして高く評価された。特に(b)では、ポジトロニウムと電子の間の束縛エネルギーが実験的に初めて得られ、長年多くの理論研究者によって行われてきた計算の検証が現実となり、大きな注目を浴びている。 次の研究として、ポジトロニウムの回折実験、および量子干渉の観測に向けての研究を行った。量子干渉の観測では、数keVのポジトロニウムビームをグラフェンに透過させれば干渉によって生じるスポットを観測が可能であると考えられる。これを実現するための予備実験を行った。ポジトロニウムの干渉スポットを観測する場合、グラフェンに付着した種々の分子が影響を与える可能性があるため、それを除去するためにグラフェンをレーザー照射によって過熱し、それに伴う電子ビームによる干渉スポットの観測を行った。これにより、グラフェンを数分間レーザー照射すると、電子ビームの干渉スポットが尖鋭化する様子が見いだされた。今後はこのテクニックを駆使して、ポジトロニウムの干渉を観測する研究を本格化させる。 固体表面におけるポジトロニウム回折のための試料ホルダーの整備も行い、今後に向けた準備を行った。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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