2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of commensal FRB search engine for VERA and observational studies of transient sources
Project/Area Number |
17H01116
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
本間 希樹 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 教授 (20332166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 思朗 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 教授 (30336101)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高速電波バースト / パルサー / 電波天文学 / VLBI |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は高速電波バースト(Fast Radio Burst:FRB)の探査のためにこれまで開発してきたデータ解析システムを、GPUによって高速かつ安定動作させることに成功した。そして、当該システムを実際の観測装置に組み込んでリアルタイム処理を行うため、国立天文台水沢VLBI観測所の10m電波望遠鏡システムへの装置実装を進めた。その結果、GPUを用いたリアルタイムでのスペクトル監視ソフトを用いて、データを長時間記録するよりも前にチェックすることが可能になった。このシステムに完成により、今後ソフトウェアに若干の手直しを加えることで、準リアルタイムのFRBおよびジャイアントパルス探査が実行できるようになり、本研究で当初予定していたシステム完成に目途が立った。 また、このシステムの性能評価とそれを用いた科学研究遂行のため、本システムを用いた試験観測を国立天文台水沢の10m電波望遠鏡を用いて行った。電波望遠鏡出力からデータ取得までの信号系統の整備を完了し、データフローのパスが通ってデータの取得が行えることが確認された。一方、実際に試験データを取得してみたところ、電波望遠鏡システムもしくは周辺電波環境に起因すると思われるノイズが強く受信され、システム雑音が想定以上に高くなるトラブルが発生した。2019年度末現在、その原因調査と対策を進めているところである。 これらの作業と並行して、2018年12月に発生したマグネターフレアの電波パルス解析についても継続し、科学的検討と論文執筆を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初整備を予定していたシステムは9割程度完成しており、また、最終形態への到達への目途が立っており、装置整備面は順調である。一方、このシステムを用いた科学観測については、電波望遠鏡システムに起因すると思われるトラブルのため、科学的評価に使えるデータが取得できなかった。2019年度末現在、この原因を調査中であるが、新型コロナウィルスの影響で2020年2月~3月の出張が制限され、現場での原因究明ができなかった。このような状況を総合的にみて、今年度の進捗は"やや遅れている"とする。
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Strategy for Future Research Activity |
電波望遠鏡システムの雑音問題を解決し次第、実際の科学観測を行いたい。具体的にはジャイアントパルスを持つようなパルサーのモニター観測をしつつ、同方向の背景天体で発生するFRBを探すことで、双方の研究を同時に遂行する。また、最近周期的に活動性がリピートするFRBや、FRBの光度に相当する電波パルスを放射する銀河系内マグネターが発見されるなど、当該研究分野で興味深い天体がいくつか報告されており、これらの天体の観測も視野に入れて、成果産出を目指す。
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Research Products
(3 results)